株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

代表取締役パートナー平堀剛のブログ

Hot Willerへのエール

Hot Willerとは「独自の志を持ち、その実現に向けた活動を
実直に続けている人」を表す当社の造語です。そういう方々に向けた
応援メッセージを贈りたいという想いで毎月書いています。

#71

口先だけの感謝

2013年12月6日

「やつは、練習ではさんざん苦労していたけど、本番には強いんですよね」

「練習の時は規定の時間内に作れなかったのに、大会本番では、誰よりも早く課題の家具を作っているのですから」

 

これは、11月22日から11月25日まで開催された技能五輪全国大会に

私の息子が参加し、競技の様子を見に行った際に、息子が務める秋山木工の社長、

秋山さんから私に言われた、息子へのコメントです。

 

ちなみに、技能五輪全国大会とは、

青年技能者の技能レベルの日本一を競う技能競技大会であって、

その目的は、次代を担う青年技能者に努力目標を与えるとともに、

大会開催地域の若年者に優れた技能を身近にふれる機会を提供するなど、

技能の重要性、必要性をアピールし、技能尊重機運の醸成を図ることにおかれています。

 

全国大会の出場選手は、各都道府県職業能力開発協会等を通じて選抜された者(原則23 才以下)としています。

なお、国際大会が開催される前の年の大会は、国際大会への派遣選手選考会をかねています。

と、ホームページにて解説されています。

また、対象となる職種は、以下の41です。

 

金属系(10)

構造物鉄工 、電気溶接、自動車板金、曲げ板金、車体塗装、電子技術系

メカトロニクス、電子機器組立て 、電工、工場電気設備

機械系(8)

機械組立て、抜き型 、精密機器組立て、機械製図 、旋盤、フライス盤

木型、自動車工

情報通信系(3)

ITPCネットワークサポート、情報ネットワーク施工、ウェブデザイン

建設・建築系(10)

タイル張り、配管、石工、左官、家具、建具、建築大工、造園、冷凍技術、とび

サービス・ファッション系(10)

貴金属装身具、フラワー装飾、美容 、理容、洋裁、洋菓子製造、西洋料理

和裁、日本料理、レストランサービス

 

我が息子は、建設・建築系の家具部門の神奈川県予選を通過し全国大会に出場しました。

 

競技課題の図面は、大会当日の約2ヶ月前に公開されます。

この期間に練習(鍛錬)を積み、大会では、11時間30分の競技時間内で

家具を作らなければなりません。

 

競技課題の図面が公開された後の最初の練習で息子は、課題の家具を作るのに、

競技時間の倍近い時間を要したそうです。

その後練習を繰り返すものの、大会の直前になっても、設定された競技時間内で完成できず、

諸先輩方に心配をかけていたようです。

このような背景から、冒頭の秋山さんのコメントがありました。

 

息子の競技結果は、敢闘賞でした。

(息子の経験月数は7ヶ月ほどなので、ある意味、快挙のようです。)

(賞の内訳:1位、2位、3位、敢闘賞)

1位になれば、国際大会への出場権を得られます。

 

第42回技能五輪国際大会は、今年の7月2日から7月7日まで、ドイツ・ライプツィヒで開催され、

競技は、日本を含め52カ国・地域の966名の選手が参加して、46職種について行われました。

 

日本選手は、そのうち40職種の競技に参加した結果、

「情報ネットワーク施工」「自動車板金」「電工」「ITネットワークシステム管理」「プラスティック金型」の5職種で

金メダルを獲得したほか、銀メダル4個、銅メダル3個、敢闘賞18個の成績を収めました。

 

金メダル獲得数の国・地域別順位は、韓国(12個)、スイス(9個)、チャイニーズタイペイ(6個)に次ぐ、第4位でした。

 

1997年に開催された、第34回 スイス・ザンクトガレン大会以降の記録を調べると、

家具部門に参加した日本の選手は、敢闘賞を含めて入賞を果たせていません。

 

息子への期待値が高すぎると、お叱りをいただくかもしれませんが、

この国際大会の結果を見ると、日本の大会で敢闘賞を受賞したくらいで喜んでいては、

息子の将来の展望は開けないでしょう。

 

息子が務める秋山木工の秋山さんも、こんな観点から息子の課題を指摘しました。

「平堀の感謝は、口先だけなんだよな」

「兄弟子から、色々と指導をしてもらいありがたいですと言うんだけど、それだけ」

「また、大会の練習があるからと、自分が担当する仕事を同期が分担して請け負い、

平堀をサポートしたんだけど、これについても、ありがとうございますと言うだけ」

「本当に、先輩や同期に感謝しているんだったら、誰よりも早く作業場に出てきて、掃除をしたりするのが道理なんだけど」

と、秋山さんから、親として耳の痛い話を頂戴したのです。

ちなみに、秋山木工の始業時間は、午前5時です。

 

「口先だけの感謝」

 

我が息子というより、まるで、自分に言われているようでした。

 

大会で賞を取ったり、運動会のリレーやスポーツチームのレギュラーに選ばれたり、

それを喜ぶ前提として、もっと大切なことがある。

と、秋山さんから教えられた感じです。

 

すると、私が中学時代に父から戒められた、こんな出来事を思い出しました。

それは、高校受験の合格発表。

 

私の父は、子どものイベントごとに無頓着で、ほとんど全てを母に任せるタイプでした。

また、根っからの職人気質で、ある意味内弁慶。

だから、運動会や野球チームで、私が活躍している姿を直接見たことがありませんでした。

そこで、私は、考えました。

 

高校の合格発表に父に付き合ってもらい、合格した瞬間を共にしたら、父も喜ぶだろうなと。

父を説き伏せて、ある高校の合格発表についてきてもらいました。

そして、合格。

私は、父に駆け寄り、思いっきりの笑顔で「お父さん、やったよ!」と叫ぼうとしたその瞬間、

父は、

「ここで、喜ぶのはやめなさい」

「不合格の人もいるんだから」

と、私の言葉を遮りました。

私がシュンとして父とともに帰路につき、最寄駅に近づいた電車の中で父は、

「欲しいモノがあるなら、何でも言いなさい」

「合格祝いに、どんなものでも買ってあげるから」

と言ってくれました。

 

私は、この父とのエピソードを、息子の敢闘賞受賞の労いとして手紙に記し、

送るつもりです。

 

大会の競技場で、息子の同期たちが、

「大会に出場できて、羨ましいよ」

「俺たちも出たかったよな」

と、囁いているのを聞いたからです。

 

我が息子よ、

「口先だけの感謝」

ではなく、

「本物の感謝」

ができる人間になってくれ。

これが、私の父としての偽らざる息子への思いです

 

フェイスブックにて、多くの皆さんからありがたいコメント、そして「いいね」を

頂戴したことに、感謝申し上げるとともに、

息子に、この本意が必ず伝わると信じて、今回のコラムを結びます。

 

ありがとうございました。

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代表取締役パートナー

平堀 剛

Hirabori Tsuyoshi

平堀 剛

1961年生まれ。東京都出身。

経歴

大学卒業後、電機メーカーに就職。先端技術の開発に汗を流すエンジニアを目の当たりにし、自分も何かをしたいと一念発起。学生時代からの夢、事業家(経営のプロ)を志しコンサルティング会社に転職。数多くの業界の経営実務に携わり上場(マザーズ)も経験した後に、小川とともに当社を起業。

コンサルティング・ポリシー

『本当の楽しみは、苦しみを乗り越えた者のみが味わえる』

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  • ◆目標達成に執着する管理者の養成
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