#31
【Hospitality】
●先日、前職時代の部下M君の結婚式にご招待いただきました。M君は、一緒に働いていた時からとても義理堅く、情に厚い男でした。今回の結婚式でも、新婦には内緒で、新婦の憧れの先輩を呼び、披露宴の入場シーンをその憧れの先輩が演奏するフルートの音色に包むという憎い演出を成功させました。先輩に気づいた時の新婦の表情に、思いやりの素晴らしさに対するすべての答えが詰まっていたように感じました。(ちなみに式当日は新婦の誕生日でした)
●さて、今回のSomething H のテーマは【Hospitality】について書こうと思います。【Hospitality】という言葉は、辞書を引くと、「厚遇、歓待、心のこもったサービス」等と説明してあります。日本語では「おもてなし」という言葉がしっくりくる感じでしょうか。ただ、【Hospitality】という言葉を使っている人たちの話をよく聴くと、「おもてなし」や「サービス」といった《行為》ではなく、「おもてなしの“心”」や「他人を思いやる“気持ち”」という《心の在り方》を意図して使われていることが多いように思います。【to do】ではなく【to be】です。
●みなさんは、志賀内泰弘さんという方をご存知でしょうか? プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動(http://www.giveandgive.com/)を展開されており、日本中にある“ちょっといい話”を集め、それを出版物や書籍、セミナー等、さまざまな形で伝え、出会う人をあったかい気持ちにしてくれる方です。先月、私も志賀内さんのお話を聴く機会がありました。運よく懇親会では隣の席に座ることができ、1時間近くも独占状態でした。
●話を伺っていると、志賀内さんも気持ちや想い、心といった「見えないもの」をとても大切にされていることが分かります。【Hospitality】の話になると、ディズニーランドやリッツカールトンホテルに代表される感動的なエピソードが紹介され、感心することしきりなのですが、一方で自分には到底できないなという感情も沸いてきて、いささか情けない気持ちにもなります。
●志賀内さんの話は少し違います。例えば、道でうずくまっている人を見かけたけれど、酔っ払っているのかと思って声を掛けずに通り過ぎてしまった。後になって、その人が急に具合が悪くなって救急車で運ばれたという事実を聞いた。この時に「私が通りかかった時に声を掛けてあげればもっと早く病院に行けたのにな。何で声を掛けられなかったのだろう」という気持ちになりますよね。志賀内さんは、そういう気持ち、心の在り方が一番大事だというメッセージを発信しているのだと思います。そういう気持ちを持っている人は、次にそういう場面に遭遇した時にきっと行動できる、次がダメでもその次があると。だから、情けない思いなんてしなくていいんだよって言ってくれているように感じるんです。
●【Hospitality】の語源は、Hospital(病院)にあると言われています。医師や看護士が患者の回復のみ願って献身的に尽くした様子が言葉の根本にあるそうです。医師や看護士の見返りを求めない心の在り方が私たちの中にも宿っているはずです。さまざまな出来事に、正面から向き合い、自分の心に耳を傾け、湧き上がってくる感情に素直に反応してみましょう。そして、私たち一人ひとりが、すでにプチ紳士・プチ淑女であることを自覚して毎日を過ごしていきましょう。
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