株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

代表取締役パートナー小川晴寿のブログ

Something H

当社の社名でもあり、コンサルティングのコンセプトであるH(アッシュ)。
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7つのH以外にもHのつく言葉にこだわって、
いい会社づくりに役立つ情報を提供していきたいと思います。

#84

HAKONE EKIDEN   - 箱根駅伝 -

2015年1月13日

あけましておめでとうございます。

 

皆さんの記憶にも新しい今年の箱根駅伝は、

青山学院大学が10時間49分27秒という素晴らしい記録で初優勝しました。

これまでと一部コースが変更になり、単純比較はできないものの

10時間50分を切るタイムでの優勝に、正直ド肝を抜かれました!

 

今回の箱根駅伝で私が見たいと願ったのは、

 

① 東洋大、駒沢大の2強以外の優勝 → 巨人嫌いに端を発するアンチ強豪

② 城西大村山選手の2区ごぼう抜き → 学生にしてアジア大会5000メートル日本代表の実力者

③ 母校、神奈川大学のシード権復活 → 予選会1位通過で復権の予感

 

の3つです。①は青山学院大学の優勝で実現、②は見事に7人抜きで実現、

ただし、最も実現を願った③は11時間18分47秒で17位、

残念ながら今年もシード権は取れませんでした。

 

毎年、感動を与えてくれる箱根駅伝ですが、

今回、青山学院が“新・山の神”神野選手の活躍で優勝したことで、

新たな議論が再燃することが予想されます。

 

 

それは・・・ 『5区短縮論』

 

以前からあった話ですが、

山の神が出現し、5区での大逆転が起こる度に、

何度も湧き起ってきた議論です。

 

これは、

 

・勝敗に占める山登りのウェイトが大きくなり過ぎている

 

という問題意識から来ているそうです。

 

これは決して、青山学院大学の優勝やこれまでの山の神たちの力走に

ケチをつけるという意味ではありませんのであしからずご了承ください。

 

 

実際に、データを見てみましょう。

 

① 各区間の区間賞と区間ワーストのタイム差:

・5区を除く、残り9区間の平均:5分35秒

・5区のみ:9分17秒

 

② 各区間の区間賞と区間2位のタイム差:

・5区を除く、残り9区間の平均:0分19秒

・5区のみ:2分30秒

 

箱根駅伝に出場する選手たちの多くは、1万メートルを28~29分台で走ります。

遅い選手でも30分台では走りますから、

概ね20km前後を走る各区間のタイム差として

5分35秒というのは納得できる結果です。

 

驚くべきは、②のデータです。

トップクラスの選手たちしのぎを削る区間賞争い、

5区を除く9区間のタイム差は平均19秒、

うち4区間は3秒以内のつばぜり合いを演じている一方で、

5区は1位と2位の差が2分30秒もありました。

ということは、山の神を擁した大学は、

1km近い差がこの区間だけで逆転可能なわけです。

 

気になったので過去5年間の5区の区間賞と区間2位のタイム差を調べてみました。

(出典は箱根駅伝公式サイト)

 

2014年 0分01秒  区間賞 設楽啓太(東洋大) 2位 服部将大(日体大)

2013年 1分57秒  区間賞 服部将大(日体大) 2位 関口頌悟(法政大)

2012年 2分55秒  区間賞 柏原竜二(東洋大) 2位 大江啓貴(明治大)

2011年 1分59秒  区間賞 柏原竜二(東洋大) 2位 大江啓貴(明治大)

2010年 4分16秒  区間賞 柏原竜二(東洋大) 2位 大谷康太(山学大)

(敬称略)

 

 

2014年こそ1秒の僅差でしたが、

それ以外の年は区間賞と区間2位が分単位の大差であることがわかります。

 

トップクラスの陸上エリート同士が競っているのに

この区間だけこんなに差が開くのは、

やはり、山登りの競争がそれだけ特異であることの証明にはなるでしょう。

 

 

事実は事実として、

だからと言って5区短縮論を持ち出すのは早計だと私は思います。

 

恐らく、この議論は、山登りが順位に与える影響の大きさよりも

箱根駅伝で活躍した選手が、

その後、国際舞台で活躍していないことに対する苛立ちの裏返しなんじゃないでしょうか。

 

もともと箱根駅伝は、マラソンの父として知られる金栗四三らの

「世界に通用するランナーを育成したい」との思いからスタートした大会でした。

しかし、私は、箱根駅伝で活躍したランナーで期待通りに活躍した選手を

瀬古利彦さん(現DeNA陸上部監督)以外、知りません。

 

今年で早稲田大学の監督を勇退した渡辺康幸さんも、

歴代の山の神である奈良修さん(大東大)、今井正人さん(順大)、柏原竜二さん(東洋大)も

卒業後は活躍どころかオリンピックの代表にもなっていません。

 

箱根の活躍=五輪・世界陸上での活躍という公式が成り立たない、

これが甲子園との違いでしょうか。

 

 

私は、箱根と世界を繋げて語ること自体に無理があると考えています。

ドル箱コンテンツを維持したいマスコミの姿勢も問題ですが、

何でもかんでも世界のひのき舞台での活躍と結びつけたがるファンの姿勢も改めなければなりません。

 

あえて、暴論を吐くならば、

箱根駅伝なんて私がやっていたバスケットで言えば、関東大会のようなものです。

日本一は、インカレで決まるわけです。

 

もし大学陸上界と五輪・世陸を繋げて語るならば、

インカレにも注目しないと・・・。

 

みなさんは、バスケットのインカレで日本一になった大学のエースが

NBAで活躍するなんて思わないですよね?

 

なぜでしょう?

それは日本のバスケットボールのレベルを冷静に見ているから。

 

多分、バスケットよりは少し可能性は高いかもしれないけれど、

冷静に見れば、

現在の日本の陸上のレベルもそんなに変わらないんじゃないかと思うわけです。

ハングリーで、心肺機能も高いアフリカのランナーを伍して対等に戦えるとは思えません。

 

 

だからといって、強化をすべきではないと言っているわけではありません。

ただ、根拠ない熱狂によって選手を振り回したり、過度の期待をするのはいかがなものかと思うわけです。

 

箱根駅伝は予選会からキー局が放送する異常なコンテンツです。

襷をつなぐ絆も、山登りの大逆転も日本人好みだし、

関西でも高い視聴率が取れていることを考えても

私は、今の形で継続していけばいいと思います。

 

ただ、何でもかんでも、世界と結び付けて将来の活躍を押し付ける姿勢はあらためたい。

世界につながるスポーツか、日本で歓喜するスポーツか、

見る側にも、報道する側にも冷静な判断が必要だなと考えた正月でした。

 

優勝した青山学院大学の選手をはじめ、出場した選手の皆さん、お疲れ様でした。

しばらく外野はうるさいと思いますが、気にせず、トレーニングに励んでください。

感動をありがとうございました。来年の快走を楽しみにしています。

 

みなさん、今年もよろしくお願いします。 m(_ _ )m

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2015年1月9日現在の東日本大震災の被害状況(警視庁・復興庁調べ)

死者:15,889人(前回と変わらず)

行方不明者:2,594人(前回より4名減)

 

代表取締役パートナー

小川 晴寿

Ogawa Haruhisa

小川 晴寿

1969年生まれ。千葉県出身。

経歴

経営コンサルティング会社に8年半勤務した後、ベンチャー企業の取締役として経営に参画。同社が3年で東証マザーズへ上場を果たす一翼を担う。その後、“やりがいを感じられる職場を1つでも多く増やしたい”という想いから、平堀と共にアッシュ・マネジメント・コンサルティングを設立。

コンサルティング・ポリシー

『1ミリの変化を心から喜ぶ』

支援実績(得意分野)

  • ◆経営者の想いをワクワクする言葉で表現する理念策定支援
  • ◆採用ビギナー企業に対する適正コストでの新卒採用支援
  • ◆自ら考える人材を育成するケーススタディ研修の開発
  • ◆評価制度の運用・定着を通じたマネジメントの仕組みづくり
  • ◆ミッションやバリューの浸透を促す人事評価制度策定支援

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