#85
Hippodrome - 八百長競技 -
本来、八百長は、日本語での「出来レース」という意味合い込めて
英語では “fixed game” ”made-up match” “put-up job” などと表現するのだけれど
このコラムのタイトルは<Something H [aʃ]>なので、
今回は、Hから始まる言葉を無理やり探してしまいました。
これで85回目のコラムだが、たまにこういうことがあります、ご容赦ください。
“Hippodrome”は、<馬術演技場、曲馬場>という意味らしい。
特に古代ギリシャ・ローマ時代の競馬場、競技場を表しているらしく、
ガチの戦いではなく、台本がある出来レースだったことが由来なのかなと推察してます。
“Hippodrome”の語源は、今回の主題ではないのでこれ以上突っ込みません。
ご了承ください。
◆
2月3日、サッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督が解任されました。
八百長疑惑の告発状がスペインの裁判所に受理されたことを受けてのものです。
アギーレ監督に対して、日本サッカー協会は2010年からオファーを出し続けていたそうで
4年越しの思いが実って招聘した指導者でした。
先日オーストラリアでおこなわれたアジアカップはベスト8で敗退しましたが、
思い切りのいい選手交代や的確な指示で選手を鼓舞する手腕は
それなりに高く評価されていたように思います。
それだけに今回の解任劇は、個人的には残念ですが、
今回は解任の是非についてではなく、スポーツと八百長について考えてみたいと思います。
◆
私が、はじめてスポーツに触れるのは子どもの時。
テレビに映るプロ野球選手やオリンピック選手を見て、
「カッコいいなぁ、すげーなぁ」と目をキラキラさせます。
そして「あんな風になりたいなぁ」とそのスポーツを習い始めます。
まさか、憧れの選手が八百長をやっていることなど露にも思わずに・・・。
◆
しかし、スポーツの世界には私たちが考えている以上に“出来レース”が蔓延っているらしい。
英国人ジャーナリスト、デクラン・ヒルがサッカーの八百長を分析した本のタイトルは、
『あなたの見ている多くの試合に台本が存在する』
日本には黒い霧事件があったし、大相撲の八百長問題は記憶に新しい。
海外でも、MLBのワールドシリーズでシカゴ・ホワイトソックスが故意に負けた“ブラックソックス事件”
(このネーミングがアメリカっぽくて好きだ)、
競馬発祥の地イギリスで起きた王室所有場に絡むエスケープ事件などを代表に
少し検索をすればその事例は枚挙にいとまがない。
オリンピックやアジア大会での韓国の審判買収、ハンドボール界では有名な中東の笛、
英国発祥であるもののインドやパキスタンに有力選手の多いクリケットでも不正は多いという
◆
「そんなことは言われなくてもわかっている」と言われそうだが、
八百長が起きる原因には、ある種の経済合理性が働いている。
オーナーは1部から2部に降格することの遺失利益と比較すれば
降格のかかった最終戦で対戦相手に支払う報酬はあまりにも安い。
仮にしっぽを掴まれて裁判になったとしても、
有罪判決を受けて降格の判定を受けない限りはたいした損失ではないのだろう。
選手の方も、超一流のトップ選手にならなければ、
生涯獲得年俸は大したことはなく、八百長に応じた方が得なのかもしれない。
冷静になって考えれば、年収を上回る報酬を八百長で得ることはないだろうから
応じる選手はその段階で相当困窮しているのだろうか・・・。
◆
負けるために、そしてその証拠を掴まれないように全力でプレーする選手の姿を
ミスなのか、ミスを装った演技なのかを見極めることは困難である。
誰だって八百長をやろうと思ってスポーツ選手になる者はいないと思う。
しかし、前述の書籍を読むと想像以上に八百長が蔓延していることがわかる。
やはり、八百長は選手をはじめ、オーナーやスポンサー、審判など
そこに関わる人々の良心でしかなくすことはできないのだろう。
そんなことを考えたアギーレ監督の解任劇でした。
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2015年1月9日現在の東日本大震災の被害状況(警視庁・復興庁調べ)
死者:15,889人(前回と変わらず)
行方不明者:2,594人(前回より4名減)
※発表元のデータ更新がなかったため、前月と同じ数字を掲載さいています。