株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

コンサルタント辻勇作のブログ

ちょっと感動した話

日々の仕事の中で「感動」を忘れない人間でありたい。
小さなことにも感動を掬い取れる感度のいいアンテナを
持っていたいという想いで毎月メッセージを発信しています。

#32

社員のモチベーションを引き出す経営計画発表会

2012年8月23日

皆さんの会社では、経営計画発表会を行っていますか?

 

多くの会社では、社員が会社の方向性や展望を知るための場として
また、社員間の交流の場として、実施している会社が多いようです。

 

先日、取引先の経営計画発表会に参加する機会があり、
その時の話をご紹介したいと思います。

 

この話は
「モチベーションの高い組織をつくりたい」
「自主的に考えて行動できる社員を育成したい」
と悩んでいる経営者・管理職の方の参考になれば幸いです。

 

一般的な経営計画発表会は、
社長が、1年間の業績や課題の振り返りに始まり、
市場環境の予測、会社の将来ビジョン、来年の経営計画や重点方針などを発表します。
その後、各部門長から今期の振り返りと来期方針について部門毎に次々と発表があり、
最後に社員表彰、そして懇親会という流れで実施している会社が多いようです。

 

私が参加させていただいた発表会も概ねこのような内容でした。
その中で、社員のモチベーションにつながるシーンがたくさんありました。

 

・社長が今期入社した社員を全社員の前で、入社後の取り組み姿勢や成果を紹介し、
「本当に素晴らしい仲間に入社していただくことができた」と誇らしげに話をしていた。

 

・その後、入社された社員だけでなく、これから入社してくる社員(内定者)も
全社員の前で紹介し、「大いに期待している」と暖かいメッセージを送られ、
2名の内定者に対して全社員から盛大な拍手が起こった。

 

・今期の振り返りの中で、社長が社員個々人の成果を発表するだけでなく、
個々人の「取り組み」や「苦労」のエピソードを紹介し、社員の「成長」を
自分のことのように嬉しそうに話をしていた。

 

・また、「個々人の成果や取り組みが如何に全社的に価値のある仕事なのか」
「会社の将来にどのようなインパクトをもたらす功績なのか」についても話をしていた。

 

・社長がある女性社員の日報に書かれてあった内容を取り上げ、「ある日のFさんの
日報に大変うれしいことが書かれてありました」とお客様が自社のサービスを
利用して成果を上げている事例を取り上げ、「顧客の成果こそが、我々の成果である」
ということと、素晴らしい仕事をしてくれている社員への感謝の気持ちを述べていた。

 

・社長だけでなく、部門長も「我々は社会にとって、如何に価値のある仕事をしているのか」を
いろんな事実を交えながら、誇らしげに話をしていた。

 

・お客様からの声を集めたムービー(映像)を全社員で見たり、
社長や部門長の発表にもお客様から聞いた社員個々人の評判や取り組みについての
話があった。

 

このように、社長や部門長が社員個々人の成果を【褒めたり、認めること】で、
社員は「社長は自分たちのことを見てくれているんだ」「自分たちに気をかけてくれている」
「もっとがんばろう!」という気持ちになります。

 

また、【多くの人の前】で褒められることにより、褒めることの効果は高まります。
社長が自分のことを褒めてくれるだけでなく、全社員に讃えてもらえる場になります。
先日、イチローが二打席連続ホームランを打った後、観客から盛大な拍手が起こり、
それに応えていました。インタビューでイチローがそのシーンを振り返って、
「恥ずかしかったけど、嬉しかった」と答えていました。注目を浴びることで恥ずかしさを
感じる人もいますが、多くの人は嬉しい気持ちが倍増するでしょう。
一方で、他の社員が同僚が人前で褒められている姿を見て、「自分もそうなりたい」
という願望であったr、「くそ、俺だってがんばっているのに。次こそは成果を出して
俺もあんな風に・・・」という嫉妬心が湧いたりすることもあります。
いずれにしても、行動を促進するモチベーションに変えることが可能です。

 

結果を褒める社長はたくさんいますが、それだけでなく、個々人の【取り組み内容】や
【苦労のエピソード】、その経験を通じた社員の【成長】といった中身にこそ本当の価値が
あることに触れることで、「自分の苦労をわかってくれているんだ」
「そんな細かいところまで理解してくれているんだ」という気持ちになります。
また、たまたま環境などの影響により出た結果を褒めるのではなく、
本人の努力が伴った結果を褒めることで、社員は結果だけでなく、
結果を生み出すまでのプロセスへの意識が高まります。

これらの社長からのお褒め言葉は、【上司から社長への報告】の結果であれば、
その上司に対しても「上司はちゃんと見てくれている」
「上にも自分の姿勢や取り組みを報告してくれている」という感情が
上司への信頼感を高め、上司から見られていることへの緊張感にもつながります。

この見られている緊張感(=見られてる感)は、社長や部門長が直接聞いた
【お客様の声を紹介すること】でも高まります。社員にとっては、自分の知らないところで
社長や上司がお客様と接触し、自分の仕事ぶりを聞いているシーンを想像し、
身が引き締まる思いになるでしょう。

 

これらはごく当たり前のことではありますが、意外と実践していない会社が多いようです。
社員の努力を「当たり前のこと」と捉えているから、そこまでして褒めることをしないのでしょう。
中には「褒めたら調子にのるだけだから」とか褒めること=甘やかすこと、と捉えている方も
います。

 

そういった会社で、よく聞こえてくる社員の不満は、
「うちの上司はわかってくれていない」
「見てくれていない」
「ちゃんと評価してくれない」
「上司はどうせ見てないから、やってもやらなくてもほとんど変わらない」
といった内容です。

 

そういった会社では、部下は上司の見ていないところで、手を抜いたり、
管理しなければ、ルールが徹底されなくなったりします。
より良い仕事をしようという意欲を持って、創意工夫することも少ないでしょう。

 

人は何の刺激もなく、誰の関与もなく、頑張り続けることは難しい生き物です。
何かしらの刺激があり、嬉しさや悔しさを味わい、次の行動への意欲につながります。
誰かの関与があり、「自分の行動を認めてくれている」「適切に評価してくれている」という
安心感が仕事に没頭できる状態を作り出します。

 

このように人は存在感、役に立っている感、貢献している感を本能的に求めています。
これらを適切に満たすことで、人のパフォーマンスを引き出すことができるだけでなく、
その組織に対して愛着や信頼を感じるようになります。
その結果、社員一人ひとりが「自分の職場や会社を良くするためには何ができるだろうか?」と自ら考え、行動するようになります。

 

『日本でいちばん大切にしたい会社』の本で紹介されている
日本理化学工業の大山会長は

 

「人間の究極の幸せは、
人に愛されること、
人に褒められること、
人の役に立つこと、
人から必要とされること
の4つである」

 

と仰っています。

 

今回は経営計画発表会の事例をご紹介しましたが、
これは日常の会議やちょっとしたコミュニケーションにも応用できるでしょう。

 

社長や管理職はマネジメントをする、人材育成をするという前に、
「部下に関心を示し、コミュニケーションを取り続けること」
「私はあなたのことがわかっていますよというメッセージを送り続けること」
が如何に重要であるかを感じた出来事でした。

コンサルタント

辻 勇作

Tsuji Yusaku

辻 勇作

1978年生まれ。奈良県出身。

経歴

新卒で経営コンサルティング会社に入社。アウトプレースメント事業、自動車関連の新規事業立ち上げを経験後、社内人事として評価制度改訂・採用方法の刷新など組織変革を推進。7年半勤務後、2009年12月アッシュ・マネジメント・コンサルティングに入社。

コンサルティング・ポリシー

『人の可能性を最後まで信じる』

コンサルティング実績(得意分野)

  • ◆サーベイに基づく経営者に対する事業構想研修
  • ◆新規事業の黎明期における営業活動の基盤づくり
  • ◆同行による密着型の営業力強化支援
  • ◆ベンチャー企業における“重たくない”人事評価制度の策定

当社での役割

  • ◆明石家さんまを彷彿とさせる常人離れした関西ノリのリアクションで平堀と小川をその気にさせること
  • ◆小川がブレークダウンしたタスクを粛々と消化し、納品物に仕立て上げること(一番汗をかいてます!)
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