株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

コンサルタント辻勇作のブログ

ちょっと感動した話

日々の仕事の中で「感動」を忘れない人間でありたい。
小さなことにも感動を掬い取れる感度のいいアンテナを
持っていたいという想いで毎月メッセージを発信しています。

#55

前人未到を行く人の考え方

2014年9月30日

先日、パン・アキモトの視察&セミナーに参加してきました。

 

 

 

パン・アキモトは、創業67年目(2014年時点)の栃木県那須塩原に

 

本社があるパン屋さんですが、ただのパン屋さんではありません。

 

パンの缶詰なるものを開発し、宇宙飛行士の若田さんが保存食として

 

宇宙に持って行ったり、企業の備蓄食として採用されたりしています。

 

 

 

パンの缶詰は、災害時のための非常食で、非常食というと乾パンのように

 

固いものをイメージしてしまいますが、パン・アキモトのパンの缶詰は

 

違います。製造から3年がたっても、焼きたてパンのようにふわふわで柔らかく、

 

しかも、味の種類は25種類もあります。この缶詰の技術は日本だけでなく、

 

アメリカなどでも特許を取得しています。

 

 

 

このパンの缶詰が世に広まったのは、救缶鳥(きゅうかんちょう)

 

プロジェクトというビジネスモデルがカンブリア宮殿で広まったことが

 

きっかけでした。

 

 

 

<救缶鳥(きゅうかんちょう)プロジェクトとは?>

 

パンの缶詰を購入した企業や学校が、2年間非常食として備蓄します。

 

備蓄から2年後、パン・アキモトが回収し、義援物資として食糧不足の国々に

 

NGO日本国際飢餓対策機構などを通じて輸送され、世界の飢餓に苦しむ人たち

 

のもとに食糧として届きます。

 

 

 

パンの缶詰を提供する企業は、CSR活動の一環としてイメージアップを期待

 

することができ、学校の場合は、教育の一環として、社会問題を考えることの

 

きっかけになります。もちろん、パン・アキモトにも利益をもたらす。

 

時間が経てば、廃棄物になってしまうパンをこのような形で循環させることで、

 

「企業や学校」「飢餓に苦しむ国の人たち」「パン・アキモト」の三者すべてに

 

とって有益でかつ持続可能な仕組みになっています。

 

 

 

今回、パンの缶詰を作っている工場と店舗を視察し、社長の秋元さんと

 

パン・アキモトを顧問の立場で支援するクオーターバックの中島社長から

 

これまでの取組みについてを聞かせていただきました。

 

 

 

その中で特に印象に残った点は以下の3つです。

 

 

 

(1)社会から応援してもらえる仕事をする

 

 

 

社長の秋元さんは常に、自分たちが儲かるビジネスを第一に考えるのではなく、

 

「社会から必要とされるビジネス、期待されるビジネスは何か?」を自らに問い

 

続けています。

 

 

 

パンの缶詰を開発したのは、阪神大震災で被災者支援を通じて必要性を

 

痛感したことがきっかけでした。開発をスタートして1年間はほとんど売れず、

 

上手くいかなかったそうです。儲けることを第一に考えれば、開発を諦めても

 

おかしくありません。その後、東日本大震災を機に多くの企業に注目され、

 

パンの缶詰が世の中に広まりました。

 

 

 

前述の救缶鳥プロジェクトも、秋元さんが常に「この事業は社会から応援して

 

もらえるか?」と考え、行動し続けることによって生まれました。

 

この視点を持って仕事をすることで、自らお金を払って広告を打たなくても、

 

メディアをはじめ様々な人たちが応援してくれることで、ビジネスを広げる

 

ことができています。実際にカンブリア宮殿、地元の新聞やラジオ番組など

 

様々なメディアに取り上げられ、大きな広告効果をもたらしています。

 

 

 

 

 

(2)とにかく動いてみる。するとパズルのピースがつながってくる。

 

 

 

例えば、ベトナムへの海外進出が挙げられます。

 

栃木で求人を出しても人が集まらないため、外国人技能実習制度を利用し、

 

外国人を雇用し、事業拡大を考えています。外国人技能実習制度とは、外国人の

 

実習生を最長3年間雇用することができる制度です。3年後には自国に戻って

 

しまいますが、中小企業にとっては、貴重な労働力を確保することができます。

 

 

 

この制度を使って、ベトナム人を採用することを前提にいろいろと調べると、

 

実習生として働いているにも関わらず、給与の高い他の会社に勤めるために

 

脱走してしまうケースが非常に多いことがわかりました。彼らにとっては、

 

3年間で出来る限りたくさん貯金して、母国に戻りたいというのが日本に来る

 

一番の動機です。そんな彼らをそそのかそうとするブローカーがいるそうです。

 

 

 

脱走の対策として、研修期間終了後に、ベトナムでパン屋がオープンできる

 

ようにすれば、ベトナムに戻ってからイチから仕事を探さなくても良く、

 

かつ日本で身につけた高い技術を活かすことができます。ベトナムではパン屋は

 

ほとんどないようですから、成功を収める可能性も十分にあります。

 

 

 

このアイデアを実現するために、秋元さんは様々な人に相談しました。

 

すると、現在の取引先がベトナムに工場を作り、パン作りに必要な機械を作って

 

くれることになりました。日本で作るよりも格安で機械を購入することができる

 

そうです。さらに、金融機関では、低い金利でお金を借りれる商品を開発して

 

くれました。留学生を派遣する団体は、学生の質を担保すべく身元のしっかり

 

した人選をしてくれることになりました。

 

 

 

様々な協力により、実習生は日本で貯めたお金+αを用意すれば、ベトナムで

 

お店を持つことができるようになりました。これは実習生にとって良いだけでなく、

 

ベトナムにとってもパンの製造販売という新たな産業を生み出すことになります

 

し、その産業が雇用を生み出すことになります。

 

 

 

パン・アキモトは、のれん分け制度やFC制度のような形で、ノウハウや仕組みを

 

提供する代わりに利益を得ることができます。パン・アキモトにとっては、優秀な

 

ベトナム人を採用し、教育することで、目先の労力を確保できるだけでなく、

 

中長期的に海外事業の拡大につながります。

 

 

 

このように、とにかく動いてみることで、バラバラに見えていた活動が、まるで

 

パズルのピースのようにつながってくるのです。

 

 

 

 

 

(3)気楽に頑張る(無理はしない)という取組み姿勢

 

 

 

上記のチャレンジは、誰もやったことのないことであり、

 

成果が保証されている訳ではありません。

 

だからこそ、気楽に頑張ることが必要なのだと秋元さんは仰っています。

 

特に、気楽にSOS(抱え込まず相談)できる環境づくりが大切だそうです。

 

 

 

新しいチャレンジは、往々にして他の既存の仕事の合間でやらなければ

 

なりません。

 

そんな状況では、気楽に頑張るという姿勢がなければ、新しいチャレンジを

 

続けることは難しいようです。新しいチャレンジが上手くいく確率は10回やって

 

1回上手くいけば良い方だと言う経営者もいます。

 

 

 

よって、短期的な成果を追い求めて必死になるよりも、力を抜いて、行動を

 

継続して行くことの方が成功確率が高いのでしょう。

 

 

 

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【カンブリア宮殿】

 

「パンの缶詰」で貧困をなくせ!栃木のパン屋さん、世界規模の挑戦!

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20140206.html

※パン・アキモトの回が番組史上最高の視聴率だったそうです。

 

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コンサルタント

辻 勇作

Tsuji Yusaku

辻 勇作

1978年生まれ。奈良県出身。

経歴

新卒で経営コンサルティング会社に入社。アウトプレースメント事業、自動車関連の新規事業立ち上げを経験後、社内人事として評価制度改訂・採用方法の刷新など組織変革を推進。7年半勤務後、2009年12月アッシュ・マネジメント・コンサルティングに入社。

コンサルティング・ポリシー

『人の可能性を最後まで信じる』

コンサルティング実績(得意分野)

  • ◆サーベイに基づく経営者に対する事業構想研修
  • ◆新規事業の黎明期における営業活動の基盤づくり
  • ◆同行による密着型の営業力強化支援
  • ◆ベンチャー企業における“重たくない”人事評価制度の策定

当社での役割

  • ◆明石家さんまを彷彿とさせる常人離れした関西ノリのリアクションで平堀と小川をその気にさせること
  • ◆小川がブレークダウンしたタスクを粛々と消化し、納品物に仕立て上げること(一番汗をかいてます!)
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