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No.50 目的を考える習慣

< タイトルに込めた想い >

辻

日々の仕事の中で「感動」を忘れない人間でありたい。小さなことにも感動を掬い取れる感度のいいアンテナを持っていたいという想いで毎月メッセージを発信しています。

No.50 目的を考える習慣


最近、新入社員研修や新卒採用の支援を行っていて、思うことがあります。

それは「目的」を考える習慣の大切さです。

 

新入社員研修では、

「どんな仕事にも必ず目的があるんだよ」

「上司から指示を受けた時、目的を自分なりに考えた上で仕事に取り組もう」

「何も考えずに、上司の指示をやるだけでは、ただの作業者になってしまいますよ」

「目的意識をもって仕事をすることが大切ですよ」

といったことを伝えています。

 

その上で、研修の中で、仕事の目的を考えたり、

目的から手段を考えたりする演習に取り組んでもらいます。

 

しかし、多くの新入社員は、自分の頭で目的を考えるのではなく、

「この演習では、恐らくこんな答えが用意されているのでは?」

というように、想定される回答に頭を巡らせて、事前に用意された

正しい答えを当てにいこうとします。

 

学生は、知識を頭に詰め込んで、テストで良い点を取ることが求められます。

大学で論文やレポートを書く機会があっても、書籍やネットで調べて

それらしい情報を集めて、コピー&ペースト(もしくは少し加工して掲載)

してきました。(もちろん全員ではありませんが)

 

自分で考えるよりも、答えを探す方が楽ですし、

これまで、学校では正しい答えを出すことが求められてきたため、

いきなり「目的を考えよ!」と言われても、培った習慣を変えることは

簡単ではありません。

 

 

これは新入社員に限ったことではなく、

私たち先輩社員も「目的」を考える習慣が身についていません。

 

最近、新卒採用の支援を行う中で、たくさんの求人原稿を見ます。

多くの会社では、

「自分たちは何をしている会社なのか?」

「どんな強みや特徴のある会社なのか?」

「自分たちの会社にはどんな社員がいて、どんな雰囲気の会社なのか?」

といったことを一生懸命伝えています。

 

一方で、

「自分たちは何のために仕事をしているのか?」

「自分たちはこの仕事を通じて、何を実現するのか?」

といった、仕事の目的や存在意義をイキイキとした言葉で伝えている企業は

滅多にありません。

 

私自身の仕事のおいても同様です。

研修の依頼があれば、ただ単に研修の準備をします。

わかりやすく、ためになる研修ができるように準備するだけです。

「何のためにこの研修をやるのか?」ということを意識しないと、

作業として研修をこなしてしまいそうになります。

特に忙しいとその傾向が強くなります。

 

新入社員が職場に配属され、

上司や先輩から指示を仰ぐシーンにおいても、作業内容や手順のみ説明し、

仕事の目的は伝えないケースが多いようです。

 

上司や先輩も常に目的を意識している訳ではないため、

いちいち目的を考えるのが面倒であり、とりあえず仕事に最低限必要な作業内容と

手順のみを伝えるのです。

 

 

このように、少し前に学生だった新入社員に対して、

「目的を考えて仕事をしようね!」

と伝えている私たち先輩社員が、目的を持たずに仕事をしてしまっています。

 

 

目的の重要性を伝える、こんな話があります。

 

2人のサンタクロースがいました。

1人は、目標のみを持ったサンタクロースです。

その目標はクリスマスの夜に子どもにプレゼントを届けることです。

 

もう1人は、目的と目標を持ったサンタクロースです。

目的は、子どもに喜んでもらい、家族に幸せな時間を過ごしてもらうため。

目標は、クリスマスの夜に子どもにプレゼントを届けることです。

 

クリスマスの前日、外は吹雪。

暖房で温かくなった家から出て、冷たい吹雪の中、

「仕事をするのは嫌だな・・・」という心理が働いても仕方ない状況です。

 

1人目の目標のみを持ったサンタクロースは、

「こんな寒い中、仕事するのは嫌だな・・・

 自分のやらなければいけないことは、子どもにプレゼントを届けることだから

 宅急便を使って、届ければいいかな。こんな吹雪の中で、事故や怪我をしたり

 したら大変だから、そうした方が良いだろう。その方が楽だし、そうしよう」

と考えました。

 

2人目の目的と目標を持ったサンタクロースは、

「今日は、一年で一番大切な日だ。

 たくさんの子どもたちに喜んでもらい、家族に幸せな時間を過ごしてもらう

 ことができる日だ。翌朝子どもたちは、どんな表情でプレゼントの箱を

 開けるのかな?そして、お父さんお母さんにどんな風に喜びを表現するのかな?

 楽しみだな~。だから、今日の仕事はしっかりとやろう!吹雪の中の仕事は

 ちょっと辛いけど子どもたちの笑顔のためなら、大したことはない!」

と考えました。

 

実際にこの話の通り、

目標だけを意識している会社の社員はやらされ感を持って仕事をしています。 

仕事を通じて実現したいことを意識することなく、目先の仕事が作業になって

しまっています。目標は実現したいものではなく、ただのノルマです。

 

ブラック企業もこの話に通じる部分があります。

人は、仕事の価値を見出すことなく、ただの作業者として長時間働かされれば、

疲弊して辞めていくことになるでしょう。

 

しかし、仕事の目的があり、その実現のためにイキイキと仕事していれば

同じように長時間働いていたとしても、働いた分がその人の成長につながり、

人生を豊かなものにしてくれます。

 

両者は労働時間だけを捉えるとブラック企業ですが、

社員の満足度と納得度が違います。

後者は、会社は自分を鍛えてくれる場であり、

やりがいある仕事を与えてくれる環境です。

 

 

私たちは、仕事で壁にぶつかった時、

「何のためにこの仕事をやっているのだろうか・・・」

「一体、自分は何をしたいのだろうか」

と悩み、仕事の目的を考え始めます。

 

一方で、調子のいい時にはそんなことは考えようとしません。

調子のいい時は楽しく、機嫌よく仕事をしています。

 

調子の悪い時こそ、目的の力が必要になります。

「困難を乗り越える力、困難に立ち向かう力=目的の力」

なのでしょう。

 

だからこそ、

人から、仕事の仕方やテクニックを学ぶ前に、

その人の仕事の目的、存在意義を学ぶことの方が重要です。

 

私たちは、

他人が成果を上げていたら、その仕事の仕方に興味が湧きます。

しかし、そこだけでなく、その人の持っている目的に目を向け、

どのようにして、その目的にたどり着いたのかを知ること。

 

そして、その人の目的をたたき台に、

自分なりの目的を自分の頭で考えてみることが大切です。

 

そう考えると、

世の中にもっと目的を学ぶ機会、考える機会を作った方がいい

のでしょうね。

 

目先のわかりやすい、仕事の仕方やテクニックだけでなく、

目的を考えることに時間を使えるか、それが組織としての

共通の目的を持てるかどうかにかかってくるのでしょう。

経営理念が浸透するかどうかに、影響してくるのでしょう。

 

最近、新入社員研修や新卒採用の支援を行っていて、

自分たちの行動を顧みた出来事でした。