#11
障害者だからできること
先月の当社の設立記念日(11月22日:いい夫婦の日)に、「こころみ学園」へ行ってきた。「こころみ学園」は、栃木県足利市にある障害者の訓練施設で葡萄を自家栽培しココ・ファーム・ワイナリーを営んでいる。詳しくは次のホームページをご覧願いたい。
http://www.cocowine.com/index.html
園長の川田昇氏の著書を読むだけでも、その取り組みの素晴らしさに感動し、涙がにじんでくるのだが、ココ・ファーム・ワイナリーを訪れて、彼らの仕事ぶりを直接見れば、より一層その実感がわく。ワイナリー見学コースがほぼ毎日開催されており、所要時間は約40分で参加費用も500円なため、お手軽に参加できる。私は、この見学コースに参加して、2回ほど涙が溢れそうなった。それは、ワインの澱を瓶の口に集めていくルミュアージュという作業と、葡萄を狙って降下してくるカラスを威嚇する缶カラたたきの説明を受けた時だった。その理由は、ホームページや著書、できれば現地へ行き、みなさんが自ら体験することで確認していただきたい。また、簡単にだが当社のホームページの“組織作りに役立つレポート”“強いチーム創りの着眼点19”や“Hのアルバム”にも掲載する予定だ。
ここまで、私が所感を述べることを避け、みなさんに直接の体験を勧めているのは、言葉に表すことが難しいくらいの感動をしたからだ。彼らの仕事に対するプライド、愚直さ、誠実さは群を抜いている。
川田氏は著書で「頭がいい人ほど、出まかせを言ってさぼる」というようなことを指摘している。ココ・ファーム・ワイナリーで働いている人たちが、純粋に担当した仕事に取り組めているのは障害があるからで、だからこそ「障害者にしかできないワインを作る」ことを方針に掲げているとも、川田氏は言っている。彼は、経営の常識である効率性の向上を無視して、ワインの品質を高める作業を、人手をかけて愚直に行っている。
彼らが求めるその品質は、“最高”である。
「障害者だからこんなもんでいいだろう」なんていう発想は微塵もなく、最高のワインを作ることに集中しているのだ。そして、各種の賞を受賞したり、洞爺湖サミットでココ・ファームのワインが使用されるという結果も残している。
山口絵理子著の「裸でも生きる」からの案内になるが、山口氏は最貧国のバングラディシュを発展させようと、“メイド・イン・バングラディシュ”を御旗に掲げ、ジュートという麻の一種で作られたバッグを現地生産し、国内販売している。この時の彼女の発想も、こころみ学園の園長の川田氏と同様で、「最貧国を救うためのボランティアだから、この程度の製品でも」という考えでは事業化は不可能で、「最高のバッグを作る」ことに情熱を傾け、事業活動を行っていたことを思い出した。
私は、2008年の年頭所感として“一流垂稲”を記した。一流を目指し、そして、謙虚さを失わないという意味をこめて、“ 実るほど頭を垂れる稲穂かな”から“垂稲”を取った。
「一流とは」の答えは、ココ・ファーム・ワイナリーのワインを飲めば共有できる。品のある雑味のない味、葡萄のほんのりとした甘い香り、飲むと思わず笑顔がこぼれるワイン。
最高とか一流とは、その製品・サービスに触れると、思わず他者に伝えたくなるものなのなのだろう。それは、他者に共通の体験をしてもらうことが、自分の味わった感動を伝達する直接的な手段だからに違いない。
従って、最高のサービスは、口コミで伝搬するものであると定義づけられる。
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