#51
若手社員が生み出した劇的な変化
私のお客様に、三軒茶屋にてアパレルの小売と通信販売を行う、
従業員数約60名の会社があります。
その会社の取締役の
「採用活動を通じて、社員を育成し、組織を活性化したい」
との思いを具現化すべく、昨年の秋より新卒採用の支援がスタートしました。
これまで、求人原稿を作成し、新卒採用向けのHPを作成し、
学生の応募を募ってきました。
4月から会社説明会がスタートし、
5月19日に第2回・第3回の会社説明会を午後・夕方に
ダブルヘッダーで行いました。
説明会での説明や運営は、入社2~3年目の若手社員が中心で、
普段は、靴下や婦人用下着を仕入れ、売り場を作り、
来店されるお客様の接客を行い、販売しています。
当然ながら、30~40名の人前で話をしたことはありません。
そんな彼女たちは、会社説明会の度に、
原稿を見直し、パワーポイントの資料を修正し、
話す練習を行ってきました。
彼女たちにとっては、経験したことのない仕事で大変な上に、
これから入ってくる新入社員に影響を与える責任重大な仕事であるため、
必死に取り組んでいました。
その結果、会社説明会は1回目より2回目、2回目より3回目と
劇的に改善され、3回目は、参加した学生からの質問も多く、
ほとんどの学生が、説明会終了後に希望に満ちた表情をして
帰っていきました。
この劇的に会社説明会が変わっていくプロセスにて、
取締役の方が常に意識していたことがあります。
それが、
「毎回必ず進化させること」
「小さなことでも良いので毎回必ず新しいことにチャレンジすること」
でした。
そして、
「失敗しても大したことはないよ。死にはしないし、飲み会の笑いの
ネタが増えるだけだし。失敗したらそこから学べばいいだけじゃない。
そうやって成長していけばいいよ」
というメッセージを常に発信されてきました。
その結果、入社2~3年目の若手社員の皆さんは、
事前に準備した原稿を前提にしつつも、原稿をそのまま読むのではなく、
「自分の言葉で、自分の体験談をしっかり話す」
「自分の言葉で、仕事の意義や思いを伝える」
といった、いかに『自分の言葉』で話すか、いかに『自分の感情や思い』を
伝えるかをテーマに取り組んできました。
そして、1つ1つ仕事内容や会社としての取組みについて、
「なぜ、それが大切なのか」「なぜ、それをやるのか」
を経験談を交えながら丁寧に話をすることで、
学生の反応が劇的に変わりました。
私は、彼女たちをサポートしていた立場として、
・自分たちの思いや感情が伝わるように自分の持てる”全て”の力を
発揮しようとする姿勢
・それらを引き出した取締役の思いと継続的なサポート
に感銘を受けました。
話は変わりますが、
先日、元ピアニストの私の友人がFacebookでこんな投稿をしていました。
——————————————————————————-
長女がアナと雪の女王のlet it goにハマりまくってて、(中略)
頭の中で松たか子の歌が無限ローテ中。
松たか子さんの歌はあまり上手じゃないんだけど、
今回に限り凄い心にしみる。やりすぎなくらい力み過ぎなんだが、
うまければいいってもんじゃないのが音楽の面白いところ。
——————————————————————————-
表現が上手いか、上手くないかというよりも、
思いの強さ、一生懸命さが重要なんですね。
『思いは手法の上流にあり』
まさに、この言葉を強く実感した出来事でした。
この成功体験が彼女たちのさらなる成長につながり、
組織の活性化の引き金になるところまで、しっかりとサポートしたいと
思います。
そして、お客様の支援において、
テクニックだけでなく、想いを磨く仕事の仕方を
サポートできるように取り組んでいきます。