#59
世界は誰かの仕事でできている
現在、とある有名なパン屋を複数店舗営む企業の新卒採用のご支援を
させていただいています。
昨日は、その企業のリクルーターとのミーティングを行いました。
今回のテーマは、会社説明会のプレゼンテ―ションのロールプレイングでした。
多くの企業の会社説明会では、先輩社員紹介のパートがありますが、
そのパートで各リクルーターが、自己紹介を兼ねて、仕事のやりがいや
社風などについて、エピソードを交えて学生に話します。
今回は、このパートの模擬練習として、プレゼンテーションしていただき、
その中で、こんなエピソードがありました。
入社1年目のMさんは、パンの製造部門の窯のポジションに配属されました。
パン作りは、仕込み→分割→成形→窯(焼成)の流れとなっています。
よって、窯のポジションは、そこまで各工程のポジションが、1つずつ丁寧に
作ってきたパンを最後に完成させる役割です。
この企業では、温度・湿度の管理のみならず、時間帯毎に作るパンの種類と
個数を非常に細かく設定し、お客様が求めるタイミングで適切な量のパンを作り、
常に出来立てを提供しています。パンの種類は40~50種類、多い日は1日1万個を
超える数のパンを作っており、忙しい時間帯はまさに戦場です。
でも、忙しい中でも、1つ1つのパン作りを疎かにしません。
社長は「パンをいじめるな」というのが口癖で、パンは繊細な生き物であり、
大切に扱いなさいという思いが込められています。
Mさんは、このように忙しい中でも先輩社員が丁寧に想いを込めて作って
くれたパン生地を窯で焼く仕事を任されたのですが、その仕事を重荷に感じ、
日々不安感でいっぱいだったそうです。
Mさんは、
「就活時は、”働くのが楽しいと感じている社員がたくさんいる会社”だと思って
この会社に入社したのに、自分はいつも先輩が作ってくれたパンを灰にして
しまわないか不安で不安で、全然働いて楽しくなかった」
と言っていました。
そして、そう思っている時に、その不安が現実のものになってしまいました。
パンの焼く時間を間違えてしまい、パンを真っ黒に焦がしてしまったそうです。
その時に、泣きそうなくらいショックで、その日は1日ずっと落ち込んでいて
仕事にならなかったそうです。
その後も、パンを焦がしてしまう度に落ち込み、周りから心配される日々が
続いたそうです。
しかし、先輩社員の励ましとアドバイスを糧に、窯ポジションの仕事に慣れ、
今はパンを焦がすこともなくなり、楽しく働いているそうです。
彼はこのエピソードを話してくれる中で、
パンのことを”先輩たちがつないでくれたバトン”と表現していました。
彼にそのように思わせるほど、先輩社員はパンのことを大切に扱っていること、
そのバトンを落としたことで1日中凹んで仕事ができないくらいになるくらいに
新入社員に先輩社員の思い入れが伝わっているということに対して、
「本当にすごいな・・・この会社は・・・」と思うと同時に、世の中には私たちの
知らないところでこのような素晴らしい仕事をしている人はたくさんいるんだろうと
ふと思いました。
コーヒーのCMに「世界は誰かの仕事でできている」というキャッチコピーが
ありましたが、まさにこのM君やその先輩ような人たちが良い仕事をして
この世の中ができているのだろうと思った出来事でした。
==================================================
辻のコラムにもありますように、アッシュ・マネジメント・コンサルティングでは
新卒採用をご支援しています。
新卒採用のトータルコンサルティングから、会社説明会資料作成代行といった
採用ツールの見直しや内定者教育プラン策定など個別のサービスもご提供しています。
採用にお困りでしたら、一度ご相談ください。
▼人材採用コンサルティングはこちら
http://www.h-mbo.com/category/service/consulting-menu/recruit-consulting/