#72
Hatarakikata ~働き方~
毎年、この時期になると10年後や20年後の
世界情勢や社会動向を予測するようなビジネス誌の記事が巷を賑わせます。
みなさんは、ハイスキル・ママという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
総合職として経験を積んできた女性が、
出産後に、その経験を生かしてフリーランスとして働く
新しいキャリアのカタチを示した言葉です。
実際に、ハイスキル・ママに仕事を紹介するサービスも登場しています。
去年は、クラウド・ソーシングという言葉がメジャーになった最初の年ですが、
労働力がハイスキルなママになったクラウド・ソーシングのようなものでしょうかね。
まぁ、これまでもそういうハイスペックな女性がいたと思いますが、
そこに「ハイスキル・ママ」というシールを貼ったら、もっともらしくなったという例なんでしょうね。
とても、日本っぽいなとは思いますが、
それによってそういう働き方を志向する女性が増えることはいいことだと思います。
この流れは、企画やリサーチ等の知識集約型の仕事だけじゃなく、
飲食や美容師といった人手不足で悲鳴を上げている
労働集約型の仕事へも広がるといいなと思います。
◆
一方で、
・ワーキング・マザー
・イクメン
・父親の育児参加
・家族サービス
・育児と仕事の両立
・皆勤賞
これらはすべて10年後に死語になると予想されている「働き方」に関する言葉です。
イクメンなんてやっと定着してきた言葉だと思うのですが意外でした。
でも、これらの言葉は、すべて
男性は外で働き、女性は家を守るのが幸せのカタチ
という価値観の中で登場した言葉です。
◆
母親が働くのが当たり前の世の中にワーキング・マザーという言葉は存在しません。
父親が育児参加をするのが当たり前の世の中にイクメンという言葉は存在しません。
育児と仕事は両立するのが当たり前、ここに介護が加わるのも常識。
そうなってくると自分の体調だけでなく、子どもや親の体調によって、
急に休んだり、遅刻・早退することも受け入れなくてはならなくなる。
そんな時、“皆勤”に価値を置くことは、サステナブルな働き方を阻害してしまうかも知れない。
そう考えると、近い将来、皆勤賞の有無が、
就活生が企業を見極めるポイントの一つになる、
そんな日が来る可能性も否定できません。
◆
少子高齢化による人口減のトレンドの中で、
いやがおうにも女性の戦力化は重要な経営課題になります。
(すでになっていると言った方が正しいでしょうか…)
1985年に施行された男女雇用機会均等法以降、
多くの会社では、総合職として入社した女性に“男性と同じ頑張り”を期待してきました。
しかし、女性役員、女性管理職が中々増えず、
女性が“改めて”専業主婦に憧れるようになった昨今を鑑みると
この政策は上手く機能していないと言わざるを得ません。
産後、夫婦関係が悪化してしまう現象を“産後クライシス”と言うそうです。
そして、育児をしながら共働き生活に入り、ますます夫婦関係が悪化することを
“共働きクライシス”というらしい。
なんだかクライシスだらけで出産や子育てに
夢も希望もなくなってしまいそうですね(笑)
この種の言葉をすべて真に受けると、
心配事が多くなりすぎて、「夜も眠れなくなってしまう」ので
適当に受け流すくらいがちょうどいいのですが
共働きクライシスの根拠になっているベネッセ教育総合研究所のデータが
とても興味深いのでご紹介します。
◆
「専業主婦世帯」と「共働き世帯」の夫婦に
●あなたと配偶者は幸せな結婚生活を送っていると思うか?
と質問をしたところ、Yesと答えた人の割合が以下のようになったそうだ。
専業主婦世帯の夫 59.3%
共働き世帯の夫 54.1%
専業主婦世帯の妻 57.0%
共働き世帯の妻 47.8%
夫は、何とか「大差なし」と言えなくもないが、
妻は、共働き世帯の方が明らかに結婚生活への満足度が低いと言えそうです。
おそらく家事、育児の負担は、
想像以上に女性の肩に圧し掛かっているのでしょうね。
同研究所のデータでは、
専業主婦世帯、共働き世帯に関わらず、
炊事、洗濯、掃除、子どもの寝かしつけといった
難易度が高く、手間のかかる家事・育児ほど
妻に任せる傾向があるとも言っています。
夫は、おむつを取り替えたり、一緒に遊んだり、
おいしいところだけを持っていくだけだと・・・。
私にも身に覚えのある耳の痛い話です(苦笑)
◆
私たちアッシュ・マネジメント・コンサルティングは、
自社においても、顧客企業に対しても
女性がサステナブルに働ける環境を創っていきたいと考えています。
社会構造、企業文化、働く人々の意識など
解決すべき問題は本当に多いです。
また、ビジネスモデルの磨き込みもしていかなければなりません。
業務フローや役割分担も、
これまで以上に性差を踏まえたものしていかなければならないでしょう。
育児世代をフォローする制度や仕組みも必要です。
一方で労働者には、
育児世代になった時に気持ちよくフォローしてもらえるように
ハードに働くような意識改革も迫らなくてはなりません。
育児に突入してからも、より生産性高く働く必要があるでしょう。
一方だけが恩恵を得るシステムは、絶対に永続しません。
そもそも成立しません。
◆
そして、こういうチャレンジは、
大企業よりも中堅企業が、
中堅企業よりも中小企業の方がやりやすいと思います。
実は、昨年末、弊社コンサルタントである辻勇作の家庭に
かわいい女の子が生まれました。
それを機に平堀と一緒に出産祝い金の規定を考えました。
彼女の誕生は私たちアッシュ・マネジメント・コンサルティングが
企業として、育児家庭にどのようなサポートしていくべきかを考える
機会を与えてくれました。
彼女の成長と一緒に、
私たちも企業として負けないように成長していきます。
みなさんの会社でも、
社員がサステナブルに働ける職場をどのように作るかを考えてみてください。
最後になりますが、
これからは「イクメン」ではなく、「イクボス」の時代になるそうです。
「イクボス」とは“育児に理解のある”という意味の他に、
サステナブルに働ける社会を“育”てるという意味があるそうです。
この言葉が流行るかどうかは別にして、
私たち40代から上の社会人には必要な視点であることは間違いなさそうです。
難しい問題ですが、チャレンジする甲斐のある問題だと思います。
それでは、今年もよろしくお願いいたします。
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東日本大震災の被害状況(警視庁・復興庁調べ)
死者:15,884人/行方不明者:2,640人 2014年1月10日現在