#192
採用力を高めるとは①
つい先日、息子が大学を卒業しました。
最後の学費を払い終えた時にも、「子育ての終わり」を感じましたが、
学位記を持ち帰ってきた息子の姿を見て、やっと一人子育てが終わったと実感します。
3月になって、徐々に新入社員研修の準備を始めています。
新入社員研修は、社会人になって最初に受ける研修です。
何事も最初が肝心と言いますが、最初に受けた研修がつまらないと、
研修に対してネガティブなイメージを持ちかねません。
息子も、同じような研修を受け、社会人としてのスタートを切るんだなと思うと
今年の新入社員研修は、例年より力が入りそうです。
◆
さて、今月から何回かに分けて【採用力】についてコラムを書きます。
「何回か」と曖昧な表現をしたのは、少なくても1回では書ききれないことだけが分かっていて
それが2回になるのか、3回になるのか、想像がつかないからです。ご了承ください。
新卒採用のご支援は、創業に近い時期から継続しています。
ここ数年、その難易度が一気に上がってきたように感じています。
経営者には、人に関心の強い方が多くいらっしゃり、
「~な質問をすると●●力が見抜ける」的な話は、非常にウケます。
人材育成に熱心な方も多く、就活生のアドバイスは大好きです。
「就活生に~なことを伝えたら、感心された」と得意気にお話になる方も多いです。
(ただし、それが本音でどう思われているかは就活生のみぞ知る、です)
そう、総じて選考(特に1対1でやる面接)の話がお好きです。
面接も採用活動の一部ではありますが、すべてではありません。
あくまでも、あくまでも、一部です。
そして、中小企業の採用力強化としては、この優先順位は高くありません。
しかし、それに気づいていない企業やその事実に目を背けている企業が多いのが現実です。
◆
採用力は以下の公式で表すことができます。
採用力 = 企業の魅力 × 採用活動力
前述の通り、面接力は【採用活動力】の一要素に過ぎません。
そのことを十分に理解した上で、「採用力」を強化しなければ、
いつまで経ってもお望みの人材を、再現性高く採用できるようにはならないのです。
このような話をすると
「うちのような会社でも●●君のように活躍する人材が採用できたんだ」
と反論される方もいらっしゃるでしょう。
その事実を否定する気持ちは一切ありません。
しかし、御社の●●さんの採用は、あくまでも偶発的な出来事だということを
理解していただきたいと思います。
◆
ここまで書いてきて、何となく先が見えました。
今月は【企業の魅力】について書いて終えようと思います。
もう少々お付き合いください。
【企業の魅力】は、大きく分けると
1)好印象度
2)労務環境充実度
の2つに分けることができます。
さらに好印象度は以下の5つに分かれます。
①企業好印象度
社会的に評価の高い企業、国民の多くが商品やサービスを利用している企業、
高い成長力で注目されている企業、親和性の高い理念や社会貢献的なビジョンを掲げ、
そこに邁進している企業などは、高い評価を受けます。
他に、「絶対に都会がいい」「地方でのんびり働きたい」「実家から通いたい」等、
企業の所在地や勤務先となる事業所の場所等も思いの外、影響力があります。
② 業界好印象度
マスコミやテレビ局、広告代理店等の平均給与が高い業界、
●●-TechやSaaS系のサービスを扱っていて時流に乗っている業界、
結婚式や旅行等、他人様の夢を叶えたり、ハレの場を彩ったりする業界、
不景気でも比較的経営が安定している業界などが該当します。
企業規模が小さくても好印象業界に属していることで恩恵を受けることができます。
③職種好印象度
テレワーク等で、場所を選ばず仕事ができるエンジニアやプログラマー、
Webデザイナー、年収が高い金融系営業職、
インテリジェンスや発想力を生かせる商品開発職やマーケティング職、
安定感が際立つ地方公務員など、
「クリエイティブ」「企画」「コンサルティング」「テレワーク」「自由」「安定」「イマドキ」
などのキーワードと相性がいい職種が人気です。
④活動好印象度
SDGsに関連した取り組みをしている、LGBTや障がい者の雇用に力を入れる、
プロスポーツチームのスポンサーになっている、
日本文化の伝承や海外進出に貢献しているなどの活動が該当します。
特に、新卒採用では効果大です。
⑤人物好感度
テレビやネットニュースで好意的に取り上げられている経営者、
所属しているアスリート社員、
偶然選考で出会った親身になってくれる採用担当者など、
「この人と働きたい」「この人のようになりたい」と思わせてくれる
シンボリックな人物がいる場合に上昇します。
好印象度は、採用活動力における「母集団形成」に多大な影響を及ぼします。
「母集団」とは、採用ナビにエントリーしたり、
インターンシップや企業説明会に参加したりしてくれる求職者のこと。
これが多ければ、選考で手を変え、品を変え、能力を見極めることができます。
一方で、母集団が少なければ、
企業は人材を選ぶ権利を剥奪されたも同然の状態になるわけです。
◆
自前で母集団を作れないことも痛手ですが、
人材紹介会社からの紹介人数も増やすことができません。
今日、人材紹介会社には星の数ほど、求人票が集まってきます。
したがって、紹介会社のキャリアアドバイザーからすれば、
わかりやすい推しポイントのある企業の方が求職者に紹介しやすいわけです。
ですから、採用力を強化したい場合、
企業は①~⑤の好感度のどこから求職者にアピールするのかを明確にしなければなりません。
これがスタートです。
選考方法について考えるのはズーっと、ズーっと後なんです。
ちなみに、とっても残念なお知らせがあります。
以下にある
・働いている人が良い
・社員同士の仲がいい
・風通しがいい
・社長との距離が近い
・成長できる
などを力説しても、あまり好感度は上がらないことを覚えておいてください。
これらは、それが事実だったとしても、
同じようなことを主張する採用競合企業との差別化が難しいという特徴があります。
別の言い方をすれば、どんな会社でも簡単に言えてしまうということ。
もし、「成長できる」で押したいなら、
「20代で子会社の社長をやっている社員が3人いる」等の事実に基づく変換が必要です。
ということで、今月は2つある企業の魅力の「好印象度」という観点から
採用力強化について書いてみました。
来月は、「労務環境充実度」について書いていきます。
楽しみにしていてください。
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