#41
【HAHANOHI 2011】
皆さんは、250円の品物を買うとき、
財布の中に500円玉と100円玉が一つずつ入っていたらどう支払いますか?
当然、500円玉を出して、250円のお釣りを受け取りますよね。
「当然」です。
今回は、そんな「大人にとっての当然」を
あらためて考え直した我が家の母の日のエピソードをご紹介します。
それは、妻へのカーネーションを買いに出かけて戻ってきた愚息の一言から始まりました。
「お父さん、カーネーション一本250円だったから、
俺の500円と雅(=妹)の100円出して、350円のおつりだったよ」
「?」
我が息子は、小4にもなって
こんな簡単な算数もできないのかと不安を覚える私。
「250円なら、お前の500円を出して250円のおつりを貰って、
雅から100円を貰えばいいんじゃないの?」
と小学校を卒業して30年経過した私。
「それじゃ、二人でお金を出し合って買ったことにならないじゃん。
雅だって、自分のお金を使ってほしいんだよ。」
と息巻く愚息。
「そっかぁ、なるほどね・・・(しみじみ)」
愚息はこう続ける。
「俺だって600円で払ったら、普通はおかしいことくらいわかるよ。
でも、(雅の気持ちを考えて)『この600円で払っていいですか?』って訊いたんだ。
店員さんも最初は変な顔(→大人でいうと怪訝な顔と推察)していたけど、『いいですよ』
って言ってくれたんだ」
花を買って帰ってきた子どもたちの誇らしげな笑顔を見ると、
この買い物にとても満足をしていることが良くわかった。
こういう時、大人は直ぐに勘定(=算数)の問題として考えてしまうが、
子どもにとっては、勘定ではなく感情の問題になる。
感情の問題なので、見えないものをとても大切にする。
日頃、仕事では皆さんに対して「見えないものを大切にしましょう」と
訴えかけているが、私もまだまだだなと思いました。
つい先日も、こんなことがありました。
我が家では、週末は私と子どもたちとで一緒に風呂に入るのだが、
その時、学校で習っている勉強の内容に準じた問題を出す。
最近では、息子には都道府県や県庁所在地の名前、娘には算数の問題が多い。
娘に
「あめが8個あります。お友だち三人で分けるとどうなるでしょうか?」
という問題を出した。
(割り算の問題だが、そこにいる全員の指を使えば数えられる問題ならどうにかなる)
すかさず、愚息がインターセプトして、
「一人2個ずつであまりが2個」
と“大人が期待する通り”の回答をしてくれた。
もちろん算数の問題としては大正解。
しばらく、時間が経ってから娘がこう答えた。
「3個のお友だちが2人と2個のお友だちが1人」
愚息は「それじゃ同じ数にならないじゃん」と抗議!
娘は「同じ数にならなくても、喧嘩にはならないもん!」と応酬
このやり取りを聞きながら、
またまた「なるほど」と感心する親バカな私。
子どもならではのよくあるエピソードとして片付けるのは簡単だが、
最近は、大人こそがこういう感覚を大切にしなければならないと痛切に感じます。
社会に出ると割り切れない問題の方が多い。
歴史や立場や人間関係がしがらみを一層複雑にする。
もし、多くの大人に「私はアメ、2個でいいよ」と言える感性が備わっていたら・・・。
子どもとの会話は本当に勉強になりますね(^^)
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