#65
Hyakkiro Marathon ~100kmマラソン~
4月のPARAカップは雨で大会が中止。
同じく4月に参加した100kmウォークは、土砂降りの雨と2月並みの気温で凍えながらゴール。
5月、子どもたちの運動会は、雨とグランドコンディション不良で2日連続で延期。
ここ数カ月、晴れて欲しいと思った日は、ことごとく天気に祟られていました。
例年より10日も早い梅雨入りに、
「もしかすると、今回も…」と悪天候を予想する気持ちがなかったわけではありませんが、
6月1日は、澄みわたる快晴となりました。
そう、4ヶ月前に出場を決意した東京・柴又100Kの当日です。
Facebookでは早々に報告しましたが、
結果は11時間50分54秒。
エントリー1920名、完走1167名中、400位でした。
今回の出場にあたって最初に手にした指南書に
「フルマラソンのベストタイムの2.7倍が最適な目標」とあったので、
一応、11時間以内に完走することを目標にはしていましたが、
何分、未知への挑戦なので本音は“とにかく無事に完走”でした。
そういう意味では、久しぶりに大満足のレースです。
両腿がカチンカチンになって、一歩を踏み出すのがしんどい時もありましたが、
リタイヤは一度も考えませんでした。
私は必ずゴールする、ゴールして家族と写真を撮る、
その後、応援してくれたみんなと美酒に酔う、
それだけをイメージし続けた12時間でした。
レースに出場して、もっとも驚いたのは、
人間は、生存本能が脅かされるほどギリギリの状態まで追い込まれると
五感が研ぎ澄まされてくるということ。
私の場合は味覚。
レース後半、60km過ぎあたりから、
エイド・ステーションのスポーツドリンクが甘すぎて不味い!
一方で、地元で作られたトマトやオレンジ、スイカが実に美味い!
日頃、感じたことのない味覚にただ驚くばかりでした。
また、レース中は、疲労を感じさせようとする脳との闘いでもありました。
肉体は大丈夫なのに、
エイド・ステーションで止まったり、道端で座り込んでいる人を見ると
走るのが億劫になる感覚を何度も味わいました。
突然の睡魔に襲われ、高見盛のように自分の頬をバチンとやったりもしました。
中でも、
「あと●キロ」「ここで半分」というゴールを渇望する心との闘いには大苦戦。
経験ある距離なら、この考えも役に立つのでしょうが、
練習でも走ったことのない未知の距離では、
50km地点で「よし半分だ!」と思っても、
直ぐに「残り50kmもあるのか、とんでもねぇな」という考えが押し寄せてきて、
私のやる気を殺いでいきます。
90kmを過ぎて、「よし、あと10km」と思った時ですら、
こんな疲労困憊の中で、「あと10km、70分も走るのか。辛れぇな」と思ってしまったくらいです。
あらためて、大事にチャレンジする時には、
欲張って先を考えずに、「今」に集中すべきだということを思い知りました。
そんなこんなで、
ウルトラ・マラソンという未知への挑戦は、たくさんのギフトを与えてくれましたが、
今回、No.1は、トレーニングしている間も、ゴールした時も、
そしてレースから一週間以上経過した今も、
とにかく気持ちが良かったということです。
女子マラソンの有森裕子さんじゃないけれど、
素直に、「自分で自分をホメてあげたい」と思えます。
私は、来月44歳になります。
世間的に言えば、“中年”。
若かりし頃は、最も敬遠していたカテゴリーです。
しかし、この世代…よく考えてみると、
会社においても、家庭においても、社会においても、
大車輪の活躍を余儀なくされる“主力世代”。
この世代の人たちが、キラキラとした生き方をすることで、
子どもたちは、「早く大人になりたい」と望むのだろうし、
若い社会人たちは、「●●課長のようになりたい」と憧れるのではないだろうか。
自分の進むその先に、僅かでも光が差し込んでいる状態を「希望」といい、
一切の光が感じられない、真っ暗闇な状態を「絶望」というそうです。
そう考えると、世の中を希望に満ちた状態にするためには、
主力世代である我々が、
子どもたちや若い世代が“カッコいい”とか、“スゲー”と感じてくれる生き方の手本を、
これでもかというくらい見せていかなければいけない。
そう思います。
それは、若い世代のためのというよりも、
私たち自身が幸せに生きるためという意味合いが強いのかもしれません。
これまでにも、マラソンのレースには何度も出場してきましたが、
今回、私からお願いして、はじめて家族に応援に来てもらいました。
それは、小6の息子と小3の娘に、
父親の踏ん張る姿を見て欲しかったから。
(あっ、もちろん妻にも! (^^) )
学年が上になって、
「難しい」「どうせ無理」という言葉が増えてきた我が子たちに、
挑戦することの意味と価値を少しでも感じてもらえたら…。
ゴールまで残り200メートルの地点。
観客の中に息子と娘を見つけ、
フィニッシュゲートの直前まで、
彼らが伴走してくれた時には、本当に嬉しかったです。
「あぁ、もしかすると、すべてはこの瞬間のため頑張ってきたのかもしれない」
そう、思えました。
SMAPの『Moment』という歌の中に、
この一瞬のための何千時間 強さって優しさ 今わかってきたよ
この瞬間のためになぜ時間ついやしてきたのか 知りたいから ♪
という歌詞があります。
この歌は、ロンドン五輪のテーマソングだったので、
ここで言う“一瞬”や“瞬間”というのは、オリンピック選考会やオリンピック本番の試合で、
“何千時間”というのは、
それこそオリンピックを志してから注ぎ込んで来た練習の時間をイメージしていて、
私がやったこととスケールは違いますが、
100kmという道程の最後に、我が子と走った200メートルは、
私にとって紛れもなく最幸の“Moment”でした。
今回の挑戦では、たくさんの方にお力添えをいただきました。
・チャリティにご賛同いただいた皆さん
・オジサンの走る目的をより強いものにしてくれたカナエールの若者たちと事務局の皆さん
・私が走って息子のサッカーの応援にいくために引率と荷物の運搬をしてくれたパパ友
・チャレンジの中間報告にたくさんの“いいね!”をくれたFB友の皆さん
・チャレンジを全面的に協力してくれたアッシュの仲間、平堀と辻
・今回の挑戦を“誇り”だと言ってくれた両親
・ラスト200メートルを笑顔で伴走してくれた子どもたち
・いろいろ言いたいこともあっただろうけど黙って応援し続けてくれた妻
(トレーニングの度に洗濯物を増やしてゴメンナサイ)
まだまだ、私の気づいていないところで、
たくさんの方にお世話になっていることでしょう。
みなさんの力なくして、今回の完走は絶対にありませんでした。
本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
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東日本大震災の被害状況(警視庁・復興庁調べ)
死者:15,883人/行方不明者:2,676人 2013年5月10日現在