株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

代表取締役パートナー小川晴寿のブログ

Something H

当社の社名でもあり、コンサルティングのコンセプトであるH(アッシュ)。
Humanity,Honest,Hospitality,Humor, Health,Hard,Historyの
7つのH以外にもHのつく言葉にこだわって、
いい会社づくりに役立つ情報を提供していきたいと思います。

#75

Happy Company ~成幸企業~

2014年4月11日

ここ1年くらいずっと考えていることがあります。

それは、謂れなく『ブラック企業』のレッテルを貼られてしまった企業から

そのレッテルを剥がせないかということ。

 

『ブラック企業』とは、そもそも反社会的企業や反社会的勢力と

強く結びついた悪質な企業を指す言葉でした。

それが現在は、

 

・度を超えた長時間労働

・厳しいノルマ管理・未達成の場合のペナルティ、違法行為の強要による精神的苦痛

・社会保険に未加入な上、生活に困窮する程の薄給

 

等によって労働者を酷使し、使い捨てにする企業というように適用範囲が広がっています。

確かに、ここに書いたようなことを企業が悪意を持ってやっていたら大問題です。

 

「大手じゃないんだから、労働基準法なんて守っていたら経営なんてやってられないよ」

コンサルタントになって、何度、この種の発言を中小企業の経営者から聞かされたただろうか。

 

日本企業の多くは、特に労働時間や残業代の支払いという側面において、

元々ブラック的な体質があったと思われます。

しかし、企業が終身雇用と年功賃金を保証するという「暗黙の合意」があったため、

労働者も騒ぎ立てることなく、滅私奉公を続けてきたわけです。

 

しかし、バブル崩壊、金融危機を経て、

“暗黙の合意”を守れなくなってしまった企業が続出。

多くの企業が一気にブラック企業と化してしまいました。

 

私も労働者の気持ちがわからないではないけれど、

味噌もクソも、十把一絡げにブラック企業に類別してしまう

今の風潮には強い違和感を持っています。

 

ある言葉が生まれると、

徐々に拡大解釈をして自分にとって都合良く使い

利益を得ようとする輩が出てくるのは世の常です。

 

たとえば、「パワハラ」という言葉にしても、

出始めた当初は「詐欺まがいの違法行為を強要された」

「人前で罵詈雑言を浴びせられ、暴力を振るわれた」という

言語道断な行為に対して使われていたが、

今では「会議中に目標未達の要因を問われた」というだけで

認定されてしまうケースもあるといいます。

 

 

「困ったなぁ」と思う一方で、手をこまねいていても何の解決にもなりません。

『目には目、歯には歯』の諺に倣って、『言葉には言葉』で対抗するべく、

『ブラック企業』の対になる概念の言葉を考えてみました。

 

マッキンゼー出身の髙橋俊介さんが著書のタイトルとして

『ホワイト企業』という言葉を使いましたが、どうも浸透していないようです。

黒の反対は確かに白ですが、

民衆は、ホワイトと言い切れるほど“清廉潔白な企業はない”ということを

感覚的にわかっているのかも知れません。

 

トム・ピーターズとロバート・ウォーターマンが上梓した『エクセレント・カンパニー』は、

個人的に好きな言葉ではあるけれど、

“excellent”という英単語が「優秀な」「優れた」「すごい」という意味になるため

かなり敷居が高い印象です。

“excellent”というよりは“Good”“Nice”くらい方が言われる側も照れくさくないかもしれません。

 

ただ、『ブラック企業』に対抗するにはいささか軽い。何せ相手は『黒』、ズンと重い。

また、日本人は“excellent”という言葉を日頃ほとんど使わないため、

ピンと来ない人も相当いると思われます。

 

同様に、ジム・コリンズの『ビジョナリー・カンパニー』もいい言葉だが、崇高過ぎる印象か…。

 

こうして考えてみると意外とないんですね。

仕方がないので自分でも考えてみることにします。

 

ブライト企業(=輝いている会社)

クリーン企業(=きれいな会社)

ジェントル企業(=紳士的な会社)

ハートフル企業(=思いやりにあふれた会社)

ブラボー・カンパニー(=見事な会社)

ワンダフル・カンパニー(=素晴らしい会社)

マーベラス・カンパニー(=素晴らしい会社2)

イケカン(=イケてるカンパニー/イケメンの会社版)

 

等々。

 

ブラックの反意語になりそうな言葉を探して、造語してみたもののどれもピンと来ません。

「帯に短し、襷に長し」のレベルにも届いていない感じです(><)

 

 

考え始めた時は、

うまくいったら『下流社会』や『ジェネレーションZ』の三浦展さんや

『草食系・肉食系』の深澤真紀さん、『だめんず』の倉田真由美さんのようになれるかも…

なんて淡い期待も抱いていましたが、そう簡単にはいきませんね。

 

 

三浦さんや深澤さんのようになるのはあきらめました。

もう少し、自分らしくアプローチしてみようと思います。

 

そもそも流行る言葉には、以下のような共通の特徴があります。

①言葉の持つ概念が受け手の潜在的問題意識と一致する

②受け手の頭の中にある言葉で表現されている

③音がいい、言いやすい

④言った時に気分がいい

 

いろいろ考えてもピンとこないのは、この①~④のどれかが欠けているか、

欠けていなかったとしても弱いということ何でしょうね。

 

言葉というのは、誰かが口にしてふれ回ることで、「力」を持ち始めます。

無論、それは良い方向に作用することもあれば、悪い方向に働いてしまうこともあるわけですが、

「ブラック企業」は完全に後者になっています。

 

そもそも、昔から『人の不幸は蜜の味』と言われるように、

人を褒めるより、貶したり、批判するパワーの方が明らかに強い。

(無意識レベルですが、欠点をあげつらう方が<④言った時に気分がいい>のでしょう)

 

そういう意味では、『あげまん』『イクメン』というプラスの側面を表す言葉よりも

『ブラック企業』『KY』のようなマイナスの側面を表した言葉の方が広がるのが早いように思います。

 

そう考えると

『ブラック企業』の反意語を考えるのではなく、

悪意に満ちたドス黒い『真性ブラック企業』と

拡大解釈によってブラック企業にされてしまった

『仮性ブラック企業』を区別する表現を考えたり、

何でもかんでも『ブラック企業』として認定しようとする人を

「モンスター・ペアレンツ」のような言葉で

「そう呼ばれたくないな」という気持ちを喚起する戦略方が

私の懸念は解決できるのかもしれません。

 

毒に対して毒で対抗するようで、あまり気分は良くないですが

 

こういう問題解決の方法を見出したことは新しい発見でした。

何でもかんでもブラック企業に認定する人たちは『ブラック・マニア』とでも呼ぶことにします。

 

個人的には、もう少しキチンと考えて、ブッラク企業の反意語を造りたいですね。

口にする人がスカッと気分よくなるような言葉で表現したいです。

 

『ハッピー企業』なんてどうでしょうか? 漢字では『成幸企業』と表記します。

幸せに成れる会社、幸せに成る会社というニュアンスが伝わるといいのですが…

 

言葉は本当に奥が深いです。

でも、こんな風に考える時間はキライではありません、むしろ大好きです。

これからも私と言葉の関係にご注目ください。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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東日本大震災の被害状況(警視庁・復興庁調べ)

死者:15,885人/行方不明者:2,623人  2014年4月10日現在

 

代表取締役パートナー

小川 晴寿

Ogawa Haruhisa

小川 晴寿

1969年生まれ。千葉県出身。

経歴

経営コンサルティング会社に8年半勤務した後、ベンチャー企業の取締役として経営に参画。同社が3年で東証マザーズへ上場を果たす一翼を担う。その後、“やりがいを感じられる職場を1つでも多く増やしたい”という想いから、平堀と共にアッシュ・マネジメント・コンサルティングを設立。

コンサルティング・ポリシー

『1ミリの変化を心から喜ぶ』

支援実績(得意分野)

  • ◆経営者の想いをワクワクする言葉で表現する理念策定支援
  • ◆採用ビギナー企業に対する適正コストでの新卒採用支援
  • ◆自ら考える人材を育成するケーススタディ研修の開発
  • ◆評価制度の運用・定着を通じたマネジメントの仕組みづくり
  • ◆ミッションやバリューの浸透を促す人事評価制度策定支援

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