#120
HEATTECH を探せ!
「皆さんは、ユニクロを何屋だとお考えでしょうか?」
あるセミナーの中で、私は受講いただいている皆さんに問い掛けました。
すると、
・アパレル
・ファストファッション
・SPA(製造小売業)
等の回答が返ってきました。
すべて正解です。しかし、それで終わってしまっては、
ちっとも面白くないので、次の質問を加えます。
「今日、ユニクロのシャツを着ている方は挙手をお願いします」
1~2名の手が上ります。
ちょっと時期が悪かったかもしれません。
クールビズの時期になれば、オフィスのユニクロ率はグンと高まるので、
もっと手が上がっていたでしょう。
◆
「それでは、今日、ヒートテックを着ている方は挙手をお願いします」
“何と!”
その場にいた全員の手が上がりました。
30名弱のセミナー参加者の全員がヒートテックを身にまとっていたのです。
斯く言う私も、その日は最高気温が10度に満たない寒い日だったこともあり、
「上」「下」「靴下」と一人で3つのヒートテックを着用していました。
ユニクロが何屋か?
私の回答は「機能性アンダーウェアのSPA」、
もっと平たく言えば、冬はヒートテック屋であり、夏はエアリズム屋です。
◆
どーでもいい話ですが、
私は45歳を機にユニクロで服を買うことを止めました。
いい歳して、何でもかんでもユニクロで間に合わせるのは止めようと思ったわけです。
そんな私もヒートテックとエアリズムだけは、毎年購入しています。
保温効果の高い下着なら何でもいいわけではなく、「ヒートテック」の指名買いです。
そして、これは私だけの行動特性ではなく、
30名弱の人たちが全員手を上げたことからも分かるように、
多くの人々に浸透した購買行動ではないかと思うのです。
でなければ、シャツと下着でこの挙手の差は生まれません。
◆
イオンは「PEACE FIT」、しまむらは「FIBER HEAT」という暖か系インナーを出していますが、
ヒートテックのように市場浸透していないように思います。
(私もコラムを書くために調べて初めて知りました。)
それどころか、「ヒートテックみたいなヤツでしょ」とか、
「イオンのヒートテックってさぁ」という具合に、
ヒートテックという言葉を介して表現されてしまう残念なポジションに留まっています。
昔、ロッテがホカロンを出した時もそんな感じだったような…。
小学生の頃、母が「今日は寒いわよ、ホカロン買ってきたから持っていきなさい」
と手渡してくれたのが、名も知らぬ某メーカーの類似品。
母はそれがホカロンでないことを知っていながも
某メーカーの製品名ではなく、ホカロンと呼んでいた。
きっと今、私が小学生だったら、
母は「ヒートテック買ってきたから着ていきなさい」と言って
某社の暖か系インナーを着せようとするでしょう(笑)
◆
ユニクロがフリースで一世を風靡した頃、何かの本で
「ユニクロはアパレルの中でも身につける頻度が高いベーシック商品に注力している」
というのを読んだ記憶がある。
そういう意味では、ヒートテックやエアリズムの開発は、
創業時のコンセプトからブレることなく、突き進んだ結果とも言える。
立ち返ってみて、私たちの企業にヒートテックはあるだろうか、
もし、「ない」とすれば、ヒートテックを生み出すべく努力をしているだろうか。
それが、難易度の高い命題であることは百も承知である。
しかし、私たちのクライアントの中にも、
ヒートテックに匹敵する“指名買いの逸品”を武器に好業績を上げている企業がある。
指名買いの逸品は、安売りをする必要がないので高い粗利を確保でき、
手にしたお客様も満足だが、販売する側の懐も潤わせてくれるWin-Winの商品だ。
我が社のHEATTECHは何だろう?
どうすればHEATTECHは生み出せるのだろう?
HEATTECHを探せ!
この言葉を胸に、市場を席捲する商品やサービスを生み出しましょう!
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