#47
笑える風刺と、笑えない風刺
次のアメリカンジョークのオチを考えてみてください。
ある父親が、息子がテレビゲームばかりやっていることに憤慨し、
興味を勉学に向けさせようと、息子に対しこう言い聞かせた。
「アブラハム・リンカーンがお前と同じ年の頃には、
暖炉の灯りで本を読んで勉強していたのだぞ」
と。
この父親からの言葉に、息子はなんと答えたでしょうか。
このジョークのオチは、
「リンカーンがお父さんと同じ年の頃には、彼はアメリカ合衆国の大統領だったけどね」
です。
思わず、“座布団一枚”あげたくなります。
こちらは、いかがでしょうか。
アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、
無重力状態ではボールペンが書けないことを発見した。
これではボールペンを持って行っても役に立たない。
NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、
10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。
その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、
どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した。
一方ロシアは○○を使った。
このジョークのオチの○○には、何が入るでしょうか。
答えは、鉛筆。
強烈なカウンターパンチです。
オチについて、調べてみると、いくつかの種類があるようです。
考え落 一瞬考えてから、にやりとさせられるもの
逆さ落 物事や立場が入れ替わもの
仕種落 仕草がオチになっているもの
地口落 いわゆる駄洒落が落ちになっているもの
仕込落 前もってオチの伏線を仕込んでおくもの
途端落(とたんおち) 最後の一言で結末のつくもの
ぶっつけ落 意味の取り違えがオチになるもの
間抜落 間の抜けたことがオチになるもの
見立落 意表をつく物に見立るもの
これらのオチは、落語のオチを分類仕分けしたものです。
ある話を聞いて、綺麗に落とされると、笑(えみ)を伴った納得感が生まれます。
見事なオチにハマると感嘆もします。
それは、物事の本質を、見事に言い当てているから。
しかし、あまりにも核心をつかれると、笑が消え、胸がつまります。
日本の原発対応を取り上げた、ドイツの風刺番組をご覧ください。
YOU TUBE「犯罪会社東電」(3分25秒)
http://www.youtube.com/watch?v=kH00psyB4lc
いかがでしょうか。私は、まったく笑えませんでした。
本日の朝刊に、
溶けた核燃料コンクリ侵食 格納容器の壁まで37センチ
と掲載されています。
震災後、8ヶ月が経過したので、ようやく解明できたことなのでしょう。
イソップ童話の「狼少年」を読み聞かせた父親が、息子に言いました。
「だから、嘘をついちゃいけないよ」
すると息子はこう言いました。
「○○首相が援助活動をしないのは、これまでたくさん嘘をつかれたからなんだね」
※「狼少年」
狼が来たと、少年が繰り返し嘘をついたので、実際に狼が現れたときには、
大人たちは信用せず、誰も救援に行かなかった。