#70
アッシュだぜ、星野監督!
日本シリーズを制覇した後に、星野監督が発した、
「被災地で苦労なさっているみなさんを、少しでも癒せたらと思い戦ってきました」
は、楽天ゴールデンイーグルスの選手だけではなく、野球ファンのみんなが待ち望んでいた、
一言だったのではないでしょうか。
私は、巨人・大鵬・玉子焼の世代でもあるので、
幼少時代から巨人ファン。
特に、長嶋さんは、大好きです。
ですから、今年の日本シリーズも第6戦までは、巨人を応援していました。
ところが、第7戦の試合をテレビ観戦している自分は、
どことなく応援に力が入りませんでした。
田中将大投手が、最終回にマウンドに上がった時には、
「マー君が出てきたら、これで終わりだな」
というよりも、
「マー君で、試合を終わらせたいな」
との思いになっていました。
なぜ、このような心境になったのか?
楽天の選手の戦う姿勢から感じ取ったのは間違いないのですが、
星野監督の采配や態度が、より一層強く影響しています。
この象徴的な出来事を、以下に紹介します。
楽天が王手をかけた第5戦。
ロングリリーフを任せた則本投手が、9回の裏に巨人打線につかまり、
同点に追いつかれました。
この回をなんとかしのぎ、延長戦に入った10回の先頭打者は、則本選手。
投球数も多く、前の回に同点にもされているので、
ここは代打が送られるだろうと、多くの人が考えるシーンです。
ところが星野監督は、このまま、則本選手を打席に送り出しました。
まるで、「この試合は、お前に任せたぞ」と言わんばかりに。
その後、藤田選手に打順が回ると、左ふくらはぎにデッドボールを受けてしまいます。
立てないほど痛がる藤田選手は、ベンチ裏で治療を施しそのまま一塁へ。
次打者の銀次のヒットで、1塁から3塁へ走りますが、足の痛みをこらえきれず、
3塁ベース上で、しゃがみ込みます。
この様子を見た星野監督は、ベンチから飛び出し、一目散に藤田選手に駆け寄り、
「交代!」
と告げました。
「そこまでやれば十分だ。お前はよくやった!!」
との星野監督の思いが、ひしひしと伝わってきたシーンです。
次に、第6戦。
マー君の連勝記録が途絶え、巨人に逆王手をかけられた試合。
マー君は敗色濃厚の中、160球を投げて完投。
星野監督は、投球数が120球を超えたあたりでマー君に交代を打診したが、
本人が最後までいきますと志願したとのことで、続投させました。
そして、運命の第7戦。
マー君が最終回にマウンドに立ちました。
これもマー君の志願だったと伝えられており、星野監督はこの思いを受け入れました。
星野監督は、ことごとく、選手の意思を尊重する指揮をとったのです。
選手たちの意思の根源は、
試合後に、星野監督が大きな声でインタビューに答えた、
「被災地で苦労なさっているみなさんを、少しでも癒せたらと思い戦ってきました」
と同じだったはずです。
まさに、
“誰かのために、何かを成し遂げたいとの強い思いを持った時に人間は、極限の力を発揮する”
事実を、楽天の選手と星野監督が身をもって示してくれたのでしょう。
だから、楽天に勝ってもらいたいとの思いを、私は、無意識に抱いていたのでしょう。
こんな感慨にふけりながら星野監督の話に耳を傾けていると、
インタビューワーから
「監督にとっても、初めての日本一になりますが、どんな思いですか?」
との質問が向けられました。
すると星野監督は、
「俺のことはどうでもいい!」
と一蹴し、
「選手のことを褒めてやってくれ!!」
と言い放ちました。
この発言に、私はメロメロになりました。
それは、この星野監督の姿勢こそが、我々が目指すアッシュな姿だからです。
自分のことは二の次で、第一線で活躍している人たちにスポットをあてる。
自分に対する「いいね」ではなく、
第一線で汗を流している人たちに「いいね」を促す。
こんなコンサルティングを、我々も、星野監督に倣い貫いていこうと、
強く心に残りました。
ということで、少々気が早いのですが、
2014年の新年に綴る、私の年頭所感を
星野仙一
にします。
“星野”監督が率いる楽天ゴールデンイーグルスが、東北復興への思いを、
“仙”台で日本“一”になることで体現した歴史を心に刻むために。
アッシュだぜ、星野監督!!
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