#76
千尋は“せんじん”ではなく“ちひろ”と呼んでください!
今年の2月3日より、当社に女性コンサルタントが入社しました。
入社してから3ヶ月後の今日に、彼女を紹介する運びになったのにはわけがあります。
それは、獅子の子落とし。
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす」のいい伝えにならったからです。
彼女は、昨年の秋に、
・クライアント企業と共に汗をかく、泥臭いコンサルティングをしたい
という志を掲げて、当社の門をたたきました。
当時、当社は、人材を採用する予定はありませんでしたが、
彼女と面談した小川と辻の反応は、良好。
コンサルタントしての資質が備わっているとのことでした。
私は、二人が責任を持って彼女を育成指導するのでれば、
入社していただいてもよいとの見解を、当初より示していましたが、
一つだけ条件をつけました。
それは、入社後3カ月間、飲食店に勤務すること。
泥臭いコンサルがしたいとの志を掲げるのなら受け入れられるだろうと、
彼女の本気度を試すために突き付けた条件でした。
躊躇なく受け入れた彼女。
勤務する店舗は、なかめのてっぺん丸の内店。
商業施設内でも、1位、2位を争う、超繁盛店。
店長は、知る人ぞ知る、サービスへの妥協を許さない、部下指導の厳しい稲井裕美さん。
私は、稲井裕美店長に、
彼女を、厳しいシフトに入れてくださいと、事前に伝えておきました。
厳しいとは、売上が高く忙しい曜日・時間帯にシフトインせよ、とのことです。
彼女が、店舗勤務をはじめて1ヶ月半が過ぎたころ、
稲井裕美店長から、
「平堀さん、彼女を、もう少し軽いシフトに入れてもいいですか」
との相談がありました。
理由を尋ねると、
「彼女は、熱があっても休まないんですよ。腰にヘルニアの持病もあるそうですし。
この業界で経験のある私でも、丸の内店は、かなりのハードワークでしんどいので、
このままでは、彼女は、本当に体を壊してしまいます」
この話を聞き、私は、
「ということは、彼女は飲食店の勤務に耐えられる体力がなくて、
みんなの足を引っ張っているということなのですか」
と、さらに突っ込んで状況確認をしました。
すると、
「とんでもない、彼女は、本当によくやってくれています。
腰が痛くても、熱があっても、扁桃炎で声が出なくなっても、いつも精一杯の笑顔で、
仕事をしてくれています。
彼女は、私にも負けず劣らずの意地っ張りというか、負けず嫌いで、
私が休めと言っても、絶対に休もうとしない。
だから、このままでは、間違いなく体を壊してしまうと思うのです」
と。
泥臭いコンサルがしたいとの彼女の志は、本物でした。
彼女の本気が、人の心を動かしたからです。
千尋の谷から這い上がってきた、当社のニューフェースの名前は、
穂積千尋(ほずみちひろ)
企画書の作成代行の仕事で経験を重ねながら、
研修やコンサルティングにも取り組んでいく予定です。
千尋(せんじん)の谷の千尋(せんじん)ではなく、
穂積千尋(ちひろ)の千尋(ちひろ)として、
本日より、皆様方からの温かいご指導とご鞭撻をお願いします。
補足
先月の私のコラム「重みのある新人教育の勧め」は、
穂積千尋のことを思い浮かべながら書いたものでした。
よろしければ、あわせてお読みください。
先月の平堀のコラム「重みのある新人教育の勧め」