#127
Hiding
2~3ヶ月の前の会議で代表の平堀が、
「航空機の墜落事故と病院内の医療ミスの発生確率が高いのはどっちか? 理由と合わせて答えよ」
という問いかけをしてきました。皆さんの答えはいかがでしょうか?
正解は最後にご紹介しますので、少々お付き合いください。
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7月から9月のいわゆる“夏クール”、熱心に見ていたドラマがありました。
テレビ朝日系列で放送していた『ハゲタカ』です。
外資系ファンドが日本企業を買収する経済小説がモチーフで、
2007年にもNHKでドラマ化されました。
あいにくNHK製作のものは見なかったのですが、今回はすべて見ました。
今月からスタートした『下町ロケット』もそうですが、
ビジネスドラマは知らず知らずのうちに見入ってしまう魅力があります。
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今回の『ハゲタカ』に登場した企業は以下の4社。
- 日光みやびホテル
- 太陽ベッド
- あけぼの
- 帝都重工
さまざまな理由で経営が傾き、主人公が経営するファンドに買収され、
ドラスティックな改革の末、健全な経営を取り戻していきます。
経営が傾いた企業に共通しているのが、BlindとHidingの2つ。
Blindとは「見て見ぬふり」 そして、Hidingは「隠ぺい」
この2つで会社はどこまでも腐っていくのだと、ドラマを見ながら改めて痛感しました。
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日光みやびホテルは、バブルが弾けた後の業績悪化を跡継ぎのボンクラ社長が直視せず、
周囲もこの社長じゃぁダメだと思っていても見て見ぬふりを続けます。
太陽ベッドは創業者の娘で現社長が、私腹を肥やすことに熱心で粉飾を繰り返します。
社長の息子はこちらも絵に描いたボンクラですが、取締役として高い報酬をもらい続け、
それに違和感を抱きつつも、母子がボンクラなのをいいことに
銀行から天下った専務と常務が不正流用をやりたい放題。
あけぼのは、業績不振のきっかけを作った会長(=前社長)が自分の老害ぶりを見て見ぬふり。
老害を指摘され、引退を迫られると、自分の尻ぬぐいと経営再建に奔走した現社長を解任し、
事態を一層混迷させます。
帝都重工はデータかいざんを隠ぺいし、責任を子会社へ転嫁。
それを隠し続けるために、別のスキャンダルをでっち上げる始末。
ダメな経営者のデパートのような番組でした。
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テレビを見ている時には、多くの人が、
「これはヒドイ」「こんな奴は許せない」という感想いだくのでしょうが、
私は対岸の火事と笑えません。
自己保身や自己防衛、自己正当化の火種は誰の心にも燻っているから。
自己の「非」や「瑕疵」を見つめるのは辛い作業です。
しかし、そこから逃げると待っているのは自分を誤魔化して生きる人生しかありません。
そんな人生だけは絶対に歩きたくないと思って、当社は、
真実を受け止め、できることを実行する
という経営理念を定めました。
来月で創業12年。 理念に恥じない経営ができているだろうか?
答えは、お客様やパートナーの皆さん、市場が判断してくれると思っていますが、
『ハゲタカ』を見ていて、ふっと、そんなことを考えた平成最後の夏でした。
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さて、冒頭の問いの解答です。
ここまで読んでいただいた方は、もうお気づきでしょう。
正解は、医療ミス。
理由は、オペ室をはじめ病院はそれ自体がブラックボックス。その気になれば隠ぺいし放題
一方、飛行機のコックピットにはフライトレコーダーとボイスレコーダーがあり、
個人の意思で隠すことは困難。
「隠せない」=常にオープンになっていることが、イノベーションを加速させるのです。
私たちもHiding(=隠ぺい・隠し事)のない公明正大な仕事をして、気持ちよく働きたいものです。
まずは業務手順からオープンにしていきましょう。
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