#134
Hard training makes Happy Ending !!
「走れーッ、ナイスシュート!」 「リバウンド!!」
ベンチメンバーも、親も友人たちも絞り出す声援、
エアコンがないので、いるだけでジワっと汗ばむ体育館は、
より一層熱くなる。
5月19日から高校三年になった長男の高校生として最後の公式戦が始まりました。
最後の公式戦、負ければ引退の緊迫感が、
一つひとつのシーンをドラマティックにしていきます。
負けたチームの選手たち、特に三年生は、
試合終了のブザーが鳴ると同時に、大粒の涙を流します。
体育館の片隅で、
応援に来てくれた親や先輩、顧問の先生に
「負けてしまってスイマセンでした。応援ありがとうございました」と首を垂らすシーンは、
最近めっきり涙腺の弱くなった
50歳目前のスポーツ好きオヤジは刺激が強すぎる感じです。
その一方で、別の感情も湧いています。
それは・・・
◆
試合に負けて涙を流すに値する練習をしたのだろうか・・・。
私が進学した高校は、地区でも最低レベルのバスケ弱小校でした。
高校一年の春、母校はあっけなく地区大会の一回戦で負けました。
相手は、私が中学生の時に練習試合をさせてもらい勝利した学校でした。
中学生にも負けるようなチームにうちの学校、負けちゃうの???
15歳の少年にはなかなか受け入れられない衝撃だったことを記憶しています。
その試合が終わった後、事件は更衣室となっていた柔道場で起きました。
三年生の先輩たちは敗戦のショックに打ちひしがれ、
中にはタオルで頭を覆いながら涙を流している人もいました。
その先輩たちの様子を見ながら、二年生のN先輩が
「落ち込むような練習したのかよ」って吐き捨てるように言ったのです。
N先輩は、ハードな練習で有名な強豪チームで小学、中学時代を過ごした経験の持ち主。
日頃は超がつくほど温厚で、決して他人を貶めたり、批判するような人ではありません。
だからこそ、私の脳裏にそのシーンが強烈に焼き付いているのだろうと思います。
幸い三年生の先輩方にN先輩の声は聞こえていなかったようで
揉め事にはなりませんでしたが、私には衝撃的な「事件」でした。
◆
時代を戻して現代、令和元年。
我が愚息は、最後の試合の後、悔し涙を流すのだろうか。
そして、泣くに値する練習の末のモノなのだろうか。
これは、結局のところ本人にしかわからない。
Hard training makes Happy Ending.
願わくば、そんな真理に気づく引退であってほしいと思います。
最後に、引退と背中合わせで闘っているすべての高校生へ
茨木のり子さんの有名な詩を贈ります。
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自分の感受性ぐらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
茨木のり子 詩集「自分の感受性ぐらい」(1977刊)所収
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30余年前、
“ひよわな志”で“水やりを怠った”くせに
最後の試合で負けて、ひどく落ち込んだ高校生より。
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