#141
ひまわりと月見草 -Himawari to Tsukimiso-
2019年の漢字が『令』に決まりました。
おもな選定理由は、
新しい元号の「令」和に明るい時代を願う国民の思いが集約されているとのことです。
私が選ぶ今年の漢字は「渋」
11月にオープンしたスクランブルスクエアに代表される「渋」谷の再開発、
新しい1万円札の顔に決まった「渋」沢栄一、
オリンピックのマラソンコース変更やYahooとLINEの経営統合に代表される
VUCAの時代に増えそうな苦「渋」の決断、
米中貿易摩擦に神経を尖らせるアメリカ、香港・ウイグルで叩かれる中国、
BREXITに揺れる英国とEU、日本叩きでしか民意を束ねられない韓国、
災害復興もままならず桜を見る会でシドロモドロの日本等々、
世界中の政治家の「渋」い表情。
そして、何と言っても今年一番輝いた「渋」は、
全英女子オープンを制したスマイリング・シンデレラ「渋」野日向子!!!
◆
今シーズンの女子ゴルフは、
渋野選手を含めた三人で、最終戦まで賞金女王争いを繰り広げていました。
最終的に賞金女王の栄冠を手にしたのは、鈴木愛選手。
2017年以来、2年ぶり2度目の戴冠でした。
この鈴木選手と渋野選手の社会での扱われ方、対比を見ながら
頭をよぎったのが、今回のタイトルにした「ひまわりと月見草」という言葉。
この言葉は、野村克也氏が現役時代に、
長島茂雄氏と自らの境遇や立場を比較して発した言葉として有名になりました。
◆
鈴木愛選手が、自らを月見草だと思ったかは定かではありませんが、
二人の女子プロゴルファーを知っている方であれば、
私の言いたいことは、何となく伝わるのではないかと思います。
マスコミ、メディアの中心は、常に渋野選手。
鈴木選手は、「ちなみに現時点で1位は・・・」的な扱いしかされておらず、
賞金女王が決まった日のマスコミ各社のニュースは、
「渋野、届かず!」の見出しで、主語は渋野選手でした。
戴冠した鈴木選手より、逃した渋野選手のインタビューの方が長く放映されるニュースばかりで
「ちょっと露骨過ぎるだろ」とマスコミに抗議したいところですが、
彼らもスポンサーがいて営利を追求する経済活動をしているのだから、
国民の注目度が高い方をより多く露出するのは当たり前です。
◆
長嶋茂雄や渋野選手には、
生まれながらにして持った陽のオーラがあるような気がします。
昔の人はこれを「華」と呼んでいました。
そして・・・
「華」は、努力しても身につかない、
無理矢理身にまとった華は、
ぎこちなさが悲壮感を漂わせたり、
鼻について嫌味な印象を与えてしまったり…
残酷で悲しい現実。
だからこそ、野村克也氏の言葉を噛み締めたい。
「長嶋茂雄はひまわりの花、私は月夜にひっそりと咲く月見草ですよ。」
野村さんは、自分が月見草であることを自覚し、
自分が月見草にしかなれないのなら、
一番キレイな月見草になろうと考えたのではないだろうか。
その結果が、野村スコープであり、再生工場であり、ボヤキなのだと思います。
◆
ひまわりと月見草。
人間はなれるものなら、誰だって、最初はひまわりになりたいと思うだろう。
(私は月見草の方が好きという大人がいるが、
彼らも最初は仮面ライダーやホームランバッターに憧れたはず)
それでも、すべての人がひまわりになれる訳ではない。
私は何の花なんだろうか?
ひまわりでないことは確かだが、月見草でもない気がする。
バラか、チューリップか、リンドウか・・・
誕生花はヒメユリ、クレマチス、マツバギク。
何でもいいが、自分がなると決めた花で
一番キレイな花を目指そうではないですか!
(結局、言いたいのそこ? 的なツッコミをいただきそうですが・・・)
こんなコラムを書いていたら、
SMAPの『世界で一つだけの花』が頭の中でリフレインしてました(笑)
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