株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

代表取締役パートナー小川晴寿のブログ

Something H

当社の社名でもあり、コンサルティングのコンセプトであるH(アッシュ)。
Humanity,Honest,Hospitality,Humor, Health,Hard,Historyの
7つのH以外にもHのつく言葉にこだわって、
いい会社づくりに役立つ情報を提供していきたいと思います。

#155

初めの一文 -Hajimenoichibun-

2021年3月1日

3月1日は、大学の新四年向けにリクナビやマイナビがグランドオープンする日。

数年前だと、この3月1日が就職活動の元旦で、
ここから一気に就活が熱を帯びてきていました。

しかし、近年は、
経団連加盟企業による採用活動スケジュールの申し合わせがあったり、
かと思えば、経団連が自分達だけ貧乏くじを引く現状に業を煮やして
経団連スケジュールを撤廃したり、

インターンシップという名目の「プチ会社説明会」が
3年生になったばかりの6月から開催されていたり、
そこに参加した学生に早期選考が開催されていたりと
活動前倒しの気運が高まっています。

さらに、今年はコロナがそこに拍車をかけています。

今の4年生は、「いざ就活に本腰をいれようか」というタイミングで、
新型コロナウィルスの感染拡大が本格化し、
4月に緊急事態宣言が発令されたことで就職活動を全くできなくなってしまいました。

早期に選考を終えていた学生への影響は軽微でしたが、
3月1日から気合いをいれようと考えていた学生への打撃は計り知れず、
ズルズル秋口まで就活しなければならなかった学生も相当数いたでしょう。

そういう先輩を間近で見てきた新4年生の就活が総じて前倒しになるのは
必然だと言えるでしょう。

さて、本題。

就職活動の本格化にともなって、学生さんのESを添削する機会が増えてきました。
ちなみにESとはEntry Sheetの略です。
決して、Employee Satisfaction(社員満足)ではありません。

採用コンサルティングという仕事をしているので
毎年たくさんのESや履歴書、志望動機書を見ます。

そして、気づいたことがあります。それは、
学生が書く文章の99.9%は、「私」から始まる
ということです。

まず、志望動機。
『私が貴社を志望した理由は…私の志望動機は…』
となり、次に自己PRや強みでは、
『私の強みは…私が自分の強みだと考えていることは…』
となって、ガクチカ(=学生時代力をいれたこと)では、
『私が学生時代に力を入れたのは…』
となります。

悪くありません。みんな、そうだし…
しかし、読み手の頭の中に強く刻まれることもありません。

学生の皆さん、想像してみてください。
採用担当者が書類選考で何枚の履歴書やESに目を通すのかを。

最初からテキトーに見る気持ちの担当者はいないと信じますが、
見ていたら集中力が散漫になってしまう担当者はいても不思議ではありません。
(それでも学生の努力に応えようと、頑張って目を通していると思います)

そんな状態の時に、
「私は」「私の」「私が」から始まる単調な文章が視界に入って来たら…

なので、私は学生さんには、
一文目の書き出しに「私」を使うことを止めよう
とアドバイスしています。

以前、本を書いた時に、出版社の方から
本は「はじめに」の一文目が大切である
と教えていただきました。

積読されてしまうような膨大な量の書物でも、書き出しだけは注意深く読むそうです。
そして、書き出しが気に入れば、その集中力は持続し、
書き出しでスイッチが入らなければ、集中力は低下するそうです。

ESや履歴書も同じです。

学生さんにとっては、渾身の作であり、Only 1ですが、
企業にとってはOne of themです。

One of themをOne of favoritesにするために書き出しに魂をこめよう!!!

ガクチカなどは、私には他人様に誇れるような経験がないと嘆く人がいますが、
学生の多くは、留学もしていないし、インカレも出ていないし、成績優秀でもない。
フツーです。

自分の普通さを嘆き、
普通の経験を大そうな経験にデフォルメすることに腐心するくらいなら、
書き出しから「私」を排除した方が、よっぽど効果的なんですね。

そんなこと言ったって、どう工夫したらいいかわからないよ!という方は、
とりあえず以下の3つから選んでください。

  1. 擬音から始める
  2. 「 」から始める
  3. 自分以外の誰かを主語にして始める

※1. 2.は私が敬愛するエンパシーライティングの開発者、中野巧さんの著書
『売れる文章術』の内容を再編、3.は私のオリジナルです。

1. 擬音から始める

<ドクドク、ドクドク。心臓の音が聞こえてきそうなくらいの緊張の中で、
私はやっとの思いで掴んだスタメンとしての初戦を迎えました>という具合です。

この後に、スタメンの座を獲るためにどれくらいの努力をしたのかを書き足せば、
ガクチカが一丁上がりです。
「私が学生時代に力を入れたことは、体育会でスタメンを目指したことです」
で始まる文章と比べれば、臨場感や熱量の伝わり方に歴然とした差があることが
わかるでしょう。

2.「  」から始める

<「あきらめたらそこで試合終了だよ」 スラムダンクで安西先生が教えてくれた言葉が、
私の座右の銘です。そして、何があっても『あきらめない』ことが私の強みだと
胸を張って断言できます>

「  」の中は、自分の心の声でもいいし、偉人の名言、格言やことわざでも構いません。
「私の座右の銘は、漫画スラムダンクの『あきらめたらそこで試合終了だよ』です」だと、
どこにでもお目にかかれる“普通”の文章ですが、

「  」を先頭に持ってくるだけで、大分印象が変わることを理解いただけると思います。

3. 自分以外の誰かを主語にして始める

<祖父は、息を引き取る間際に私と弟をそばに引き寄せ、
「おじいちゃんの孫に生まれてきてくれてありがとう」と言った。
私が「存在感謝」について考えるようになった初めての体験だった>

「私」が99.9%なら「私以外の誰か」を主語にして、文章を書き出せば、
それで差別化できるということです。

家族や友人に限らず、
「説明会でお話いただいた人事の●●さん」という主語でも面白いと思います。
若干あざとい感じもしますが、
自分本人や知っている人が主語になっている文章は集中して読むはずですし、
内容次第では人事部内でも評判になるはずです。

明日からは3月。

ここまでスロースターターだった学生さんも、就活に本腰を入れ始めることでしょう。
すべての就活生へのYellとして、今月のコラムを送ります。ガンバレーーー、就活生!!!

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代表取締役パートナー

小川 晴寿

Ogawa Haruhisa

小川 晴寿

1969年生まれ。千葉県出身。

経歴

経営コンサルティング会社に8年半勤務した後、ベンチャー企業の取締役として経営に参画。同社が3年で東証マザーズへ上場を果たす一翼を担う。その後、“やりがいを感じられる職場を1つでも多く増やしたい”という想いから、平堀と共にアッシュ・マネジメント・コンサルティングを設立。

コンサルティング・ポリシー

『1ミリの変化を心から喜ぶ』

支援実績(得意分野)

  • ◆経営者の想いをワクワクする言葉で表現する理念策定支援
  • ◆採用ビギナー企業に対する適正コストでの新卒採用支援
  • ◆自ら考える人材を育成するケーススタディ研修の開発
  • ◆評価制度の運用・定着を通じたマネジメントの仕組みづくり
  • ◆ミッションやバリューの浸透を促す人事評価制度策定支援

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