#164
順番を間違えると欲しい結果は得られない
今年もあと1か月。
2021年は皆さんにとってどんな一年でしたでしょうか?
12月や3月など、締めくくりの月が近づいてくると
そこに向けてラストスパートを掛けたり、
目標達成のための秘策を打ち出したり、
日々の我々の行動に変化がおこります。
小学生の時に、8月31日が近づいてくると、
急に宿題に取り掛かるのと同じです(笑)
今回は、そんな時に読んでもらいたいコラムです。
◆
あるところに、一人の愚かな男がいた。
男はあるとき、瓶の中に穀物を入れてラクダに与えていた。
ところが、瓶の中に頭を突っ込んで穀物を食べていたラクダは、
食べ終わっても頭を出さない。
男はほとほと困り果てていた。
そこへ一人の老人が近づいてきた。
「心配することはない。良い方法を教えてやろう。
私の言うとおりにすれば、必ずラクダの頭は出る。
まず、ラクダの首を切ってしまいなさい」
老人の言葉を信じて、男はラクダの首を切った。
老人は続けた。
「次に、瓶を壊しなさい」
男は言われるままに瓶をたたいて壊した。
そして、ラクダの頭を取り出した。
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これは「ラクダの頭」という寓話です。
確かに、男はラクダの頭を取り戻すことができました。
しかし、肝心のラクダは死んでしまっています。
そして、瓶も失ってしまいました。
この寓話の教訓は、
ピンチに陥った時に、よく考えずに行動すると、最悪の結果を招くこともある
ということなんですが、話の取り様によっては、
順番を間違えると、欲しい結果は得られない
という教訓を導き出すこともできます。
◆
この物語を読んだ方の多くは、
自分はこの男のような愚かな行為はしないと考えるでしょうが、
実際に、この男のようなビジネスパーソンは少なくありません。
特に、年末や期末といった追い込まれた状況では…。
例えば、
お膳立てを整えてから、
顧客に提案しようとアポを先延ばしにしたことで、
なかなかお膳立てを整えようとせず、
結果として、提案も実現しない。
この場合、正しい順番は、
先にお客様のアポを取る。
そして、そのアポに向けて最善の準備をする。
痩せてから、海に行く約束をして
痩せたカラダに合う水着を買うのではなく、
海に行く約束をし、水着を買ってから
痩せるための努力をする方が、
いい結果が出る確率が高いのと同じです。
◆
欲しい結果を得られない人は、
損をしたくなくて、水着を買うことができない。
どうせ痩せるのだから、
水着が無駄になることはないはずなんだけれど、
痩せる努力をする自分を信じられないのでしょう。
以前、モンベルの創業者である辰野勇さんの講演を聞いた時、
辰野さんがこんなことを言っていました。
判断は誰でもできるが、決断ができる人は少ない。
決断とは、すべての選択肢に
自分への「たいへんなこと」が含まれている中から
1つを選ぶことです。
モンベルは当初、問屋や小売店に対する卸売りに徹していましたが、
直接顧客の声を聞くため、ビジネスの主導権を握るために直営店の出店に乗り出します。
当然、これまで取引していた問屋や小売店は腹を立て、取引を止めると言い出しました。
売上大幅減の一大事です。
直営店の出店にしても、経験やノウハウがあるわけでもなく、多大な費用が必要になります。
卸売と小売。どちらを選んでも「たいへん」。
そのような状況の中で、どちらを選ぶか決めるのが決断であると
辰野さんは仰っているわけです。
話が少し逸れましたが、
年末、期末だからこそ、少し追い込まれた時期だからこそ、
決断力を持って、正しい順番を選択できるようになりたいものです。
※作業手順から組織活性まで、最善の順番をプロが編み出します。
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