#169
あなたは何で齢(よわい)を知りますか?
その昔、どこかの誰かに
「男は高校野球で年齢(とし)を感じるものだ」
という言葉を教えてもらいました。
野球を始めたばかりの小学生の頃は、
高校野球の選手は、10歳以上も年齢の離れた“お兄ちゃん”
高校生になると高校野球の選手は同世代となり、
お兄ちゃん感はなくなり、“同世代の有名人”として認知します。
ちなみに私は、現在中日ドラゴンズの監督をしている立浪さんと同級生。
彼がドラゴンズにドラ1で入団し、高卒ルーキーとして活躍中、
母の日に150万の指輪をプレゼントしたというニュースを耳にした時には
まったく意味のないライバル心を燃やしたものです(笑)
社会人になると高校野球の選手はすべて年下の若者となり、
“若いのにすごいヤツ”として受け入れます。
松坂世代の選手たちはその代表格です。
そして、高校野球の選手が、自分の子どもの年齢に近づいてくると
凄さよりも“幼さ”に意識が集まり、
“若者よ、頑張れ!”という感情が支配的になるわけです。
◆
この話は、とてもしっくり来ていたので、
セミナーや研修のアイスブレイクでも度々引用していました。
しかし、私は最近、高校野球以上に自分の年齢を感じる出来事に直面しています。
それが、採用です。
◆
弊社では、現在、8番目の人材の採用に取り組んでいます。
他人様の会社の採用支援を生業にしていますので、
自社の採用には、とりわけ力を入れています。
リクルートサイトこそ無いものの、
採用情報も工夫をしていますし、ツールも充実させています。
恐らく、この規模の企業では持ちえないレベルの説明資料や
ユーモアを感じられるサブツールを整備してあります。
選考方法も妥協は許さず、考え方や人柄はもちろん、
パソコンのスキルチェックや常識テストも実施。
そして、それらのデキが悪くても、採用したいと思う人材に対しては、
面接中から弊社への入社を促すようなコミュケーションをそこはかとなく取ります。
かなり充実していると自負もありますし、
採用コンサルティングの中で、お客様に紹介すると感心いただくことが多いです。
しかし、8番目人材の採用に関しては、現在2連敗中なんです。
2連敗というのは、内定を出した人材に2人続けて辞退されたということです。
◆
そして、2人の辞退理由に、組織の年齢が強く関係しているのです。
採用で競り負けた企業は、
トップの年齢が40歳前後で社員も20代半ばから30代が中心です。
一方、弊社はと言うと…
2022年3月31日時点での平均年齢は、43.6歳です。
最年長は61歳、最年少でも36歳。
今回内定を出した方々は偶然にも20代半ばだったので、
最年少のメンバーとも10歳の年齢差があるわけです。
気軽にわからないことを聞くなら、2~3歳上の気の合う先輩がベストです。
キャリアモデルとして参考になるのも、5~8歳上のハイパフォーマーが適切でしょう。
20歳も、30歳も離れた“世代を超越した存在”は、
その実力を認めこそすれど、参考にするには実感がわきません。
今回の採用活動を通して、
弊社は自分たちが考えている以上にロートルな組織なんだと、
あらためて思い知りました。
「男は高校野球で年齢(とし)を感じるものだ」をあらため、
「男は採用活動で年齢(とし)を感じるものだ」です。
◆
いい機会なので在籍社員の平均年齢の推移を調べてみました。
その結果は以下の通り。
平堀(45歳)と私(37歳)の二人で2006年に創業した時が平均41歳。
この時でも十分にベテラン感の漂う企業でしたが、
16期終了時点で43.6歳で、創業時を2.6歳も上回っています。
このまま若いメンバーを補充できなければ17期終了時には44.6歳となり、
高齢化が進む日本(2022年で平均47.7歳)といい勝負です。
◆
先日、Z世代をテーマにセミナーをやりました。
その中で、企業も、自治体も、国もいかに彼らZ世代のハートを掴めるかが、
これからの生き残りのカギであると偉そうにお話したのですが、
それがブーメランになって返ってきました(笑)
若手人材の採用において、経営者や経営陣の気持ちの若さではなく、
組織構成員の年齢の若さは、私が考えている以上に優先順位が高いようです。
月並みですが、気がついた時が、残りの人生において最も若い時。
何とか第8の人材の採用を成功させ、組織の若返りを図り、
今後の組織作りを進めていきたいと思います。
皆さんの会社でも、組織が高齢化する前に手を打つことをお薦めします。
※最近、コンテンツが充実してきた『マニュアル・ラボ』はこちら。
>>>https://manual-lab.jp/
※動画マニュアル『Teachmebiz』の専用サイトはこちら。
>>>https://teachme.h-mbo.com/