#178
適性検査にみるZ世代
ある企業のコンサルティングの一環で
就活生に対して適性検査の結果をフィードバックしながら
就職活動のお悩み相談に乗るという活動をしています。
今シーズンはここまで31人の就活生に対してフィードバック面談を実施しました。
面談の前に、私は彼らの適性検査の結果に目を通します。
最初は何気なく見ていたのですが、「ある傾向があるのでは?」との思いに至り、
31人分の検査結果をまとめてみました。
今回のコラムでは、彼らの適性検査の結果から見えてきた
Z世代について書いてみようと思います。
2001年生まれは117万人いるわけで、
そのうちの31名を抽出しても統計的に信頼に足るものにはなりませんが、
話のネタとして記憶に残しておいてもらえればと思います。
◆
学生に受けてもらった適性検査は、トライアンフ社のCUBIC。
同検査は、
- 性格・パーソナリティ
- ストレス耐性
- 職場における社会性
- 意欲・ヤル気の源
という4つの領域を判定する構成になっています。
今回は、その中でも「1.性格・パーソナリティ」の傾向についてお伝えします。
◆
「①性格・パーソナリティ」は、以下の10項目を評価します。
項目に★印がついているのは、反転評価(=点数が低い方が評価が高い)です。
- 内閉性 ★
- 客観性
- 身体性
- 気分性 ★
- 持続性
- 規則性 ★
- 競争性
- 自尊心 ★
- 慎重性
- 弱気さ ★
「自尊心って低い方がいいの?」という突っ込みがありそうですが、
同テストで見ている自尊心は「我がままの度合い」のようなものらしいので、
その変はサラッと聞き流してください。
◆
性格・パーソナリティの結果は以下の通り。
同検査では、41~60点を標準と見なし、
40点以下を低い、61点以上を高いと評価します。
項目 | Ave. | MAX | MIN | 40点以下 | 41~60点 | 61点以上 |
内閉性 | 57.1 | 85 | 35 | 3名 | 14名 | 14名 |
客観性 | 49.7 | 76 | 20 | 7名 | 18名 | 6名 |
身体性 | 45.4 | 71 | 20 | 11名 | 17名 | 3名 |
気分性 | 49.8 | 77 | 29 | 6名 | 20名 | 5名 |
持続性 | 48.7 | 78 | 23 | 8名 | 17名 | 6名 |
規則性 | 48.5 | 66 | 32 | 11名 | 15名 | 5名 |
競争性 | 49.7 | 77 | 35 | 4名 | 21名 | 6名 |
自尊心 | 43.3 | 71 | 23 | 11名 | 18名 | 2名 |
慎重性 | 54.9 | 85 | 38 | 1名 | 18名 | 12名 |
弱気さ | 52.9 | 71 | 28 | 3名 | 22名 | 6名 |
こうやって見ると内閉性の高さが際立っていることがわかります。
内閉性とは、周囲と交わらず自分の殻に閉じこもる性質をいいます。
反意語は「外交性」「社交性」ですから、
この結果だけを見ると、今のZ世代は人との交わるのが得意ではなく、
自分の世界を尊重し、気の合うメンバーとだけ連んでいる様子を窺い知ることができます。
61点以上の高得点者が14名と多いことも気になりますね。
一般的に、こういう統計は2:6:2で分布すると言われているので、
「40点以下」「61点以上」は、6人前後になることが予想されます。
それが14名なので約半数が「高い」と判定されています。
◆
ただ、この結果をそのまま鵜呑みにしていいのかというと
もう少し精査が必要だというのが正直なところです。
理由は3つ。
・実際に面談で会った学生は殻に閉じこもっているような印象はなかったこと
・社会にYouTubeやNetfrix、オンラインゲーム等の内閉性を誘発する娯楽が多数あること
・恐らく適性検査の設問は、作成当時の時代を前提としており、現代のような変化を想定し
ないで作られていること
上記のようなデータに触れたとき、論理的思考力に長けた頭のいい人たちは、
自分の持っている情報を紡いでもっともらしい物語を作ってしまい、
時として、社会に見当外れのバイアスを流布してしまいます。
そうならないために、
私たちもCUBICを受けてみることにしました。
その上で、この結果に対する結論を出していこうと思います。
結果は、またこのコラムでもご報告いたします。
乞うご期待。
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