#182
協力者求む! エゴグラムデータ、絶賛募集中!!
GW明けからエゴグラムのデータの蓄積を始めました。
エゴグラムとは、アメリカの心理学者エリック・バーンが創始した性格診断テストです。
人間の心を<CP・NP・A・FC・AC>という5つの自我に分け、
その高低と組み合わせで性格を診断していきます。
これまでにもコミュニケーション系の研修では、かなりの頻度で実施しており、
30年間のコンサルタント人生の中で、
数千人以上、下手をすれば1万人以上のデータを見てきました。
ただ、ずっと紙の検査用紙で実施してきたので、
手元にデータを蓄積することはしてきませんでした。
それがGoogleフォームとスプレッドシートで
簡単に入力フォームと回答・集計フォームが作れるようになったのを機に
データを集めることにした次第です。
◆
エゴグラムでいう<5つの自我>は以下の通りです。
① CP(Critical Parent):厳格な親の自我
厳格な父親のような自我です。両親の教育、先生からの教え、社会のルールや規範等から
影響を受けた自我状態を意味します。
CPが強い人は、理想を掲げ、責任感が強く、秩序を重んじる等の良い面を発揮する一方で、
独善的な態度で他人にマウントを取ったり、権威に媚びたり、攻撃的に立ち振る舞ったり
することがあります。
② NP(Nurturing Parent):優しく、世話好きな親の自我
優しい母親のような自我です。優しさ、慈しみ、助けたいと思う自我状態を意味します。
NPが強い人は、あたたかい雰囲気を醸し出し、人を受け入れる態度で接してくれます。
その一方で、お節介が過ぎたり、甘やかしたり、過保護な振る舞いで
人の自立を妨げてしまうことがあります。
③ A(Adult):理性的な成人の自我
大人らしく、理性的で客観的なバランスの取れた自我です。
Aが強い人は、合理的な判断に優れ、落ち着いて、客観的事実に基づいて意思決定をします。
一方で、計算高く、打算的で、理屈っぽい印象を与えてしまうことがあります。
④ FC(Free Child):感受性豊かで自由奔放な子どもの自我
感情表現が豊かで、遊び心に満ちた子どもの自我です。
感情的、本能的でクリエイティブな自我状態を意味します。
FCが強い人は、大人になっても喜怒哀楽を表に出したり、
無邪気な立ち振る舞いで場を盛り上げたりします。
一方で、場をわきまえずはしゃぎ過ぎたり、
自己中心的、衝動的な言動が目立ってしまうことがあります。
⑤ AC(Adapted Child):周囲の期待に応えようとする従順な子どもの自我
従順で、大人の顔色を伺う子どもの自我です。
素直で協調性に優れ、自分の感情を抑制する自我状態を意味します。
ACが強い人は、大人が喜ぶ「いい子」として、行儀よく振る舞い、
周囲の期待に沿う努力を惜しみません。
一方で、主体的な決断が苦手で、依存心が強く、
場合によっては敵意を温存するような心理状態になることがあります。
◆
ちなみに、私のエゴグラムはこんな感じです。
CP:28 NP:22 A:25 FC:16 AC:10
それぞれ満点は30点で、
高い・・・22点以上
ふつう・・・15点以上22点未満
低い・・・15点未満
が目安です。
父性、母性、成人が高く、子ども心に乏しい・・・。
特に父性と成人が高いので、眉間に皺を寄せながら難しい顔をして、
パソコンを叩いている近寄り難い親父のイメージそのままです。
◆
私のスコアは、さて置いて、GW明けから回収できたデータが、手元に329人分あります。
これを【性別】【年代別】【階層別】に整理してみました。
あくまでもNの平均点なので、大きな特徴が出にくくなっています。
ご了承ください。
また、入力漏れがあるデータも含まれているため、Nの合計が必ずしも329になりません。
●性別による違い
N | CP | NP | A | FC | AC | |
男性 | 194 | 16.8 | 19.7 | 16.8 | 16.7 | 17.2 |
女性 | 134 | 16.1 | 21.3 | 15.5 | 18.7 | 18.5 |
- CPに大きな差は見られない
- NPは女性の方が高いが、男性も5つの自我の中で最も高く、
小さい頃から親や先生から「人にやさしく」と教育されてきた影響が出ている - Aは男性の方が高く、女性は論理的、合理的に考えるのが得意ではない
- FCは女性が2.0ポイントも高く、感情表現が豊かである
- ACは男女ともにまずまず高い。
●年代による違い
N | CP | NP | A | FC | AC | |
20代 | 141 | 15.9 | 21.4 | 15.8 | 18.1 | 18.8 |
30代 | 103 | 16.5 | 18.9 | 16.6 | 16.8 | 17.5 |
40代 | 38 | 16.5 | 21 | 16.1 | 17.6 | 16.9 |
50代 | 36 | 18.1 | 19.5 | 17 | 16.5 | 15.8 |
60代~ | 11 | 18.2 | 20.1 | 16.3 | 17.9 | 15.4 |
- CPは50~60代とそれ以下とで明らかに違いが見られる。
本データの50~60代の多くは管理職層、経営職層であることも影響している思われる。 - NPは年代に関係なく、5つの自我で最も高い。
50年以上前から「人にやさしく」教育が脈々と受け継がれていることとがわかる。 - 20~40代はAが5つの自我の中で最も低い。論理的、合理的に思考し、判断するのが苦手。
2023年1月のコラムで大学生の数学の不出来について書いたが、ここでもその傾向が見て取れる。
かと言って、50代、60代も特別高いわけではない。 - FCに年代別の特徴は見られないが、ACは年代が若いほど高くなる傾向が見られる。
若者が何の前触れもなく、退職を申し入れてくる等、
おじさんたちには理解しがたい行為に出てくるのはこのあたりの結果と
関係があるのかもしれない。
●階層による違い
N | CP | NP | A | FC | AC | |
一般職層 | 198 | 15.9 | 20.4 | 15.9 | 17.6 | 18.1 |
管理職層 | 85 | 15.3 | 19.2 | 16.3 | 16.4 | 17.4 |
経営職層 | 25 | 20 | 21.8 | 17.9 | 18.4 | 15.1 |
- 経営職になる人は、平均してCPが高い。管理職のスコアが一般職とほぼ同水準。
叱れない上司がたくさん出現している一因を見た気がする。 - NPは階層に関係なく、高いスコアが出ているが、CP同様に経営職が最も高い。
- Aは階層別にキレイにグラデーションしていて、階層が高くなるにつれて
スコアも高くなっている。 - FCは階層による傾向はなく、人それぞれといったところか・・・。
- 経営職はACのスコアが低く、他人の意見を聞き入れず、自分のやりたいように
やる人が多いと推察する。
一方で、一般職はACのスコアが高く、自分の思っていることを言えず(言わず)、
内に秘めていると考えられる。
◆
データを見て気になるは、若者や一般職層のACの高さです。
これまでたくさんのエゴグラムを見てきて、
日本人に多いのはNPとFCが高いM型とNPとACが高いN型だということは認識していましたが、
今回データを取ってみて、予想以上にN型の人材が多いことに気づきました。
5月に入って耳にした
新入社員が突然出社してこなくなったり、退職願を出してきたり、
という話はこの辺りの変化と無縁ではないのでしょう。
ということで、久しぶりにセミナーを企画しました。
テーマは、人材育成界隈では耳にすることが増えてきた『レジリエンス』。
日本語では、「精神回復力」「弾力性」「適応力」等と訳されます。
ストレスを感じた時に、そのストレスをどう受け止め、
次の前向きなアクションへつなげていくのか、そのポイントを解説する内容になっています。
CPが低くて叱れない上司も、ACが高くて本音を言えない若者も、
コミュニケーションを改善するヒントが得られると思います。
ご興味ある方は、以下のURLからアクセスしてお申込みください。
●レジリエンスまるわかりセミナー
>>>https://www.h-mbo.com/info/seminar/
◆
当社のエゴグラムは、まだ329件のデータに過ぎません。
まずは、1000件のデータを集めたいと思っています。
ご協力いただける方は、以下のURLからアクセスして
エゴグラムデータの収集にご協力いただけるとありがたいです。
アッシュ・マネジメント・コンサルティング
エゴグラムフォーム
>>>https://forms.gle/BVHs2w4nk2RZFz819
今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※下記サイトもご覧ください。
日本初のレジリエンス研修専門サイト
>>>レジリエンス研修
※弊社オウンドメディアの『マネジメントDX』はこちら。
>>>https://management-dx.jp/
※動画マニュアル『Teachmebiz』の専用サイトはこちら。
>>>https://teachme.h-mbo.com/