#8
基本技能を磨いているか!
北京オリンピックもあっという間に終わり、勝利の美酒に酔う選手、悔し涙に顔をうつむける選手を見て、まさに勝負の厳しさと感動を堪能させてもらった。
ところで、スポーツでは基本技能を維持、強化するために、反復してトレーニングすることが重要だと言われている。そういえば、8月26日にNHKのプロフェッショナルに出演した科学者の小池康博さんも、「根本をつきつめろ!基本に戻って、そこから考えろ!!」と強調していた。
スポーツや学者が、ことほどさように基本を大切にしているのだが、我々ビジネスパーソンはどうだろうか。昨日よりは今日、今日よりは明日、という具合に、基本技能の強化を自分に課して、業務に勤しんでいるだろうか。おそらく、そんな方はいないだろうと決めつける前に、ビジネスの基本技能とは何かを整理する必要がある。私は、ビジネスの基本技能は、インプットする力と、アウトプットする力の2つに分けて考えている。インプットする力とは、文章を読み解く力と人の話を聞き取る力。アウトプットする力とは、自分の考えを他者に話して伝える力と文章にまとめる力。この4つの力が備わっていなければ、ビジネスでは成果を出せない。
従って、HMCがコンサルティングをする際には、必ず、基本技能の強化をプログラムに組み入れている。例えば、読む力を養成するために、課題本を提示して、その感想文を作成してもらう。感想文の作成にも段階があり、まずは著者が主張していることを正確に捉えるレベルが第一段階となる。次に著者の主張を鵜呑みにするのではなく、矛盾や問題がないか疑いの目を向けて読む、第二段階にステップアップする。この反駁の目は、物事を客観的に分析する力の養成になる。そして、著者の主張を基にして、自分の独自の発想に展開する昇華力が、最後の第三段階になる。
コンサルティング先で、感想文を作成していただくと、第一段階をクリアできていない人が多数を占める。これでは、上司や顧客から出されるメールや各種資料を読み解くことはできない。基本技能がこの程度のビジネスパーソンは、結局、自分の勝手な解釈で仕事を進めてしまい、成果に結びつかないことが多いのである。
また、第二段階をクリアできていない人は、指示された範囲でしか物事を発想できないため、依頼者の期待値を下回る仕事になってしまう。そして、依頼者から「物足りない」とのコメントをもらうと、心の中で「あなたの指示された通りにやっているのに、何がいけないんだ。そもそも指示の内容に問題があったんだ!」と叫んだりしている。
ビジネスでも、基本技能を磨くことが即ち、仕事の質やスピードの向上に結びつくのは誰もが認める事実のはずなので、スポーツ選手や学者に習い、毎日、“くる楽しく”基本技能の強化に取り組んでいこう。
(※くる楽しいとは、苦しいけど楽しいと感じる心境)
残りの3つのビジネスの基本技能である、聞く、話す、書く力の強化方法については、次月に解説するので、お楽しみに。
※HOT WILLerとは、「独自の志を持ち、その実現に向けた活動を実直に続けている人」を指す。この方々に向けた応援メッセージを毎月贈り続けている。※
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