#13
1170円の湿布薬
昨年末のフルマラソンで発症したランナーズニー(長距離ランナーに多くみられる、膝痛のこと)が慢性化しつつあるので、地元の整形外科へ行ってきた。私は、ランナーズニーについてはインターネットや本からひと通り学び、予防処置としての補助運動やストレッチも行っている。ということで、ランナーズニーが発症する原因については理解もし、トレー二ングをしているにも関わらず症状が改善されないため、病院へ行くことにした。
が、医師の対応は、お決まりの3分診療!
私がアドバイスして欲しいことは、再発を防止するトレーニング方法や、走るときに体重の3倍の圧力が足首や膝へかかると言われている負荷を軽減させるためのインソール(衝撃を和らげるための靴の中敷き)の活用、靴の選び方であった。
この点について尋ねると、
・トレーニング方法:痛くなるまでの距離を走る
・インソールの活用:合う人と合わない人がいるので、気をつける
・靴の選定:なるべくクッションが効いた初心者用を選ぶ
と答え、「念のために湿布を出しますので、痛くなったら貼ってください」。そして「どうしようもない痛みが続いたり、腫れたりしたら来てください」と言われ、診察室からの退室を促された。
診察代は、1170円。
腹立たしいというより、空しい気持ちを抱きながら病院を後にした。
整形外科に通院している患者さんの大半はご老人で、治療行為はお決まりの電気治療や牽引、そして湿布の貼付。間接痛や神経痛が完治せず、深刻に悩んでいるシルバーも多いと思うが、かのお医者さんは真剣に治そうとしているのだろうか。歳を取ったら、あちこちに痛みが出るのは当たり前。筋力も衰え体も硬くなっているので、そう簡単には治らない。ということで無難な処置をしておけばいいと考えているのではないかと勘ぐりたくなる。
ここで、立場をかえて自分のことに置き換えて確認してみよう。
チームメンバーからアドバイスを求められた時、相手が求めていることに対応できているだろうか。
1)相手の話を具体的に、そして正確に聞けているか
2)相手の話を鵜呑みにせず、周辺情報、関連情報を調べているか
3)相談内容の本質を見極められているか
4)アドバイスした対策は、その効果を充分に期待できるか
5)相手は、アドバイス内容を理解できたか
そして、相談者も真剣に解決したいのなら、1)~4)までの内容を自ら準備した上で、相談に臨むべきだ。加えて、相談する相手を間違わないことだ。仲がいい、話しやすいことを基準にして相談相手を決めていては、恐らく解決策は見いだせない。ただ、いたずらに同情されたり、無意味に励まされて終わるだろう。
ということで、私はランナーズニーを克服するために誰に相談すればいいだろうか。今回の医者が言っていた、「痛くなるまで走りなさい」を激励の言葉と捉えて、まずは走りながら考えることにしよう。
※HOT WILLer とは、「独自の志を持ち、その実現に向けた活動を実直に続けている人」を指す。この方々に向けた応援メッセージを毎月贈り続けている。※