株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

代表取締役パートナー平堀剛のブログ

Hot Willerへのエール

Hot Willerとは「独自の志を持ち、その実現に向けた活動を
実直に続けている人」を表す当社の造語です。そういう方々に向けた
応援メッセージを贈りたいという想いで毎月書いています。

#58

可愛い子には旅をさせよ

2012年11月1日

先月、我が娘が東京都の教員採用試験小学校全科に合格したことを
フェイスブックに掲載し、多くの方々から“いいね”の祝福をいただきました。
来春には、晴れて社会人になる道が開け、親として安堵する気持ちと、
子どもの旅立ちに、少々の寂しさを感じています。

 

実は、娘の教員採用試験への挑戦は、今回が2回目でした。
昨年は、東京都の特別支援学校の試験に挑んだのですが、1次試験を通過できませんでした。
平成24年度採用の特別支援学校小学部の募集枠は30名、小学校全科は1600名、
倍率は特別支援学校小学部11.1倍、小学校全科3.8倍でした。
(ちなみに、25年度は、特別支援7.9倍、小学校4.7倍)

 

このデータから、特別支援学校が狭き門であることは明らかです。
小学校全科を選択し、採用された後に希望を出せば、特別支援学級の教職につけ、
そして、一定の学習を積めば特別支援学校に移れるとのことなので、
娘が通っていた大学の教授からは、あえて難関を目指さずに、倍率の低い小学校全科へ
応募するように勧められました。私も客観的に考えて、その方がいいだろうと判断し、
娘には同様のアドバイスをしました。

 

しかし、娘は聞き入れませんでした。彼女の言い分は次のようでした。
「私は、授業についてこられない生徒を見ると、どうしてもその子のことが気になり、
その子のペースで授業を進めようとしてしまう。30人の学級を受け持って、
このようなことをしたら、授業を進めるスピードのバランスを崩し、他の生徒に迷惑をかけるでしょう。
とは言え、割り切ろうと思ってもできそうもない。だったら、3人の生徒を2人の先生で指導できる
特別支援学校に応募するのが、自分の適性にあっていると思うの。」

 

彼女はそれまで、特別支援学校に何回もボランティアで通い、自分の適性があっていることを確認し、
特別支援学校の先生からも評価いただいていたようです。
他者からすれば、考えは分かるけど、小学校全科合格後でも、特別支援学級及び特別支援学校への
道があるのなら、倍率が低い小学校全科を受けるのが、合理的な判断だと思ってしまいます。

昨年の彼女は、「それは理解できるけど、特別支援学級への希望を出しても、通らない場合もあるので、
そうしたら30人学級を担当しなければならなくなるわけでしょう。
だから、私は、特別支援学校にチャレンジします」と頑なに自分の考えを貫きました。

 

そして、結果は、不合格。
娘は、仲のいい友だちの大半が、教員採用試験に合格したこともあり、かなり落ち込みました。
そして、同級生が社会人として羽ばたき活躍している姿を目の当たりにして、不安に思ったでしょう。
こういう時に親は何もしてあげられません。
「あなたが決めたことなら、好きな通りにおやりなさい」という気持ちで、
ただ、黙って見守るしかないのです。

 

“可愛い子には旅をさせよ”とはよく言ったもので、親があれこれと口を出すのではなく、
多少危なっかしく見えても、我が子を信じて無事を念じながら、自分で歩かせてみるという、
親としての覚悟が求められる場面があります。

 

採用試験に不合格になった娘は、ボランティアで知り合った先生からの紹介で、
品川区にある公立小学校の非常勤講師の職を得ました。実際に教育の現場に入り、
生徒たちと格闘する毎日を過ごしました。

 

この経験を通じて、娘が導き出した答えは、小学校全科への応募でした。
まさに、自分で旅をして、結論を出したわけです。
親としての正直な気持ちに、「去年、大学の先生が示してくれた道、親がアドバイスした道を
なんで素直に選ばなかったのか」という思いは全くなく、「自分で歩いて、道が切り拓けてよかったね」
という清々しい思いしかありません。

 

娘が小学校の先生になるということで、私は、小学校時代にどんな教育を受けていたのか
見つめ直してみようと、先生との交換日記を読んでみました。
小学5、6年の時の担任の先生から、次のようなメッセージをもらっていました。
文中に、“平(ひら)”と書かれていますが、当時の私の呼び名です。

 

私はこの5年4組の先生になれて本当によかったと思っています。
この一学期間、先生は、みんなからいろんなことを勉強させてもらったと思うの。
平ともずいぶん言い合いましたね。
3ヶ月の間、平を見ていて思ったことを書きます。
平のいい所は、
①自分の思ったことをきちっと言えること。
(ただ、言い方のエチケットはあまりなっていませんね。怒鳴ったり、バカがついたりで)
②人の意見を聞けること。話し合いを大切にすること。
③納得したら、自分の意見を変えられること。
大人も見習わなくちゃと思っていますよ。
でも、もう一方、こうした方がいいなと思うことは、
・毎日、自分の目標を持つこと(もちろん、守れそうな目標をね)
・自分で話す時、これを聞いた人はどう思うかなと考えて話すこと
・自分の言ったことと、することを、同じにするよう努力すること
こんなことですけど、どうかな?

 

小学校時代には、この先生のアドバイスを流して読んでいたのかもしれませんが、
今、改めて読み直してみると、赤ペンで書かれた先生の綺麗な字が身にしみ、
ありがたみがこみ上げてきます。それは、私が、数十年の人生の旅を重ねたからに違いありません。

 

今、わからなくても、必ずわかる時が来る。
こんな揺るぎない自信を持って、長い目で子どもと接してあげるのが、親や先生の努めなのでしょう。
娘にも、そんなどっしりとした先生になってもらうことを念じます。

 

最後になりましたが、多くの皆様から、励ましのお言葉をいただいたことに感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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代表取締役パートナー

平堀 剛

Hirabori Tsuyoshi

平堀 剛

1961年生まれ。東京都出身。

経歴

大学卒業後、電機メーカーに就職。先端技術の開発に汗を流すエンジニアを目の当たりにし、自分も何かをしたいと一念発起。学生時代からの夢、事業家(経営のプロ)を志しコンサルティング会社に転職。数多くの業界の経営実務に携わり上場(マザーズ)も経験した後に、小川とともに当社を起業。

コンサルティング・ポリシー

『本当の楽しみは、苦しみを乗り越えた者のみが味わえる』

支援実績(得意分野)

  • ◆目標達成に執着する管理者の養成
  • ◆顧客を愛顧客にする営業パーソンの育成
  • ◆中途・新卒社員の早期戦力化支援
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