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心のストレッチ
先日、ある経営者から、
「辻さん、いいサポートしてくれますね」
との、お褒めの言葉をいただきました。
理由を尋ねると、
「日曜日に電話をしたんですが、電話口で愚図るお子さんをあやしながら、私の困りごとに応えてくれたんです。
プライベートタイムを邪魔して申し訳なかったんですけど、月曜日まで待てなかったので、電話してしまいました。
でも、辻さんの気持ちのいい応対に、助けられました。」
私は、この類の出来事が大好きです。
他者から「こうしろ」と言われたから、とか、「いいね」がもらえるから、とか、
そういう了見ではなく、ごく自然に、あることをする。
こういう姿を見ると、心が温かくなるんです。
例えば、穂積千尋の場合(以下、当社シリーズになりますがご容赦ください)、
オフィスにいくつかあるゴミ箱が一杯なると、そのゴミを回収します。
デスクやトイレ掃除は、出社した者が毎日行うルールとなっていますが、
ゴミ捨ては、月曜日。
ですから、私は自分用のゴミ箱が一杯になっても、月曜日まではゴミを押し込み続けます。
(たぶん、小川も辻も、そうしているんじゃないでしょうか)
ところが、穂積は、一杯になったゴミ箱を見たら、その中のゴミを、さっさと回収して、ゴミ箱を空にしています。
そして、「ゴミ箱がたまったら回収日に関係なく処分するのが当たり前なんだから、これから自分でやってください」
なんて、お小言は一切言いません。
小川晴寿の場合、付き合いが長いのでたくさんありますが、社員旅行に行った時の社費の精算が、象徴的でしょうか。
旅行では、部屋に戻ったら何もしたくないくらい、朝から晩までびっしりのスケジュールを組んでしまうのですが、
小川は、社費の対象となる領収書を整理してEXCELに毎日入力。
私が、突然「残りの予算は?」と、小川に聞いても、
「あと、○○円です」と、いつも即答してくれます。
このように、小川の几帳面さは筋金入りで、ずぼらな私が、
「○○、どこにあったっけ」と何を尋ねても、
「ああ、それは、△△にあります」と、間髪入れずに答えが返ってきます。
旅行中の社費の精算のように手間のかかる雑用をしてくれている小川から、
「平堀さん、私も、旅行を楽しみたいので、社費の精算は他の人にかえてくださいよ」と、
言われたことは、これまでまったくありません。
社費以外の件もまた然りです。
このように、
決まり事だからとか、割り振られた役割だからなんていう了見ではなくて、
ごく自然に、ある事をする人の姿を目にすると、心が洗われます。
何故か?
それは、
邪心の無い綺麗な心で、その事をしているからではないでしょうか。
世の中には、損得抜きである事をしている人がたくさんいます。
この機会に、読者のみなさんも、どんな出来事あるか思い浮かべてください。
すると心が温かくなります。
心が温まると、癒されます。
すると、自分も何かがしたくなってきます。
したいと思ったことを、ごく自然にやってみる。
私は、この行為を、“心のストレッチ”と名付けています。
最近、悶々としていて心が晴れていない方は、心のストレッチをしてみてください。
きっと自分らしさを取り戻せますから。