#92
子どもの命を救うために1億円集めた男
今回のコラムは、多くのみなさんに読んでいただきたい。
それほどの思いを抱いた感動エピソードのエピローグをご紹介します。
今から13年前に、「“主夫”をしなければならいので、会社を辞めさせてください」と、
私に退職の申し入れをしてきた男がいました。
主夫とかイクメンという言葉が普及していない当時ですから、私は彼に、
「何をバカな事を言ってるんだ。奥さんに働いてもらって、お前が家事をするなんて甘えた
考えを捨てて、もっと真剣に仕事に打ち込め」
と一喝した記憶が、うっすらと残っています。
結果、彼は意思を曲げずに退職。
それっきり音信は途絶え月日が流れていましたが、1ヶ月ほど前に彼からフェイスブックの
友だち申請がありました。
プロフィールの職業欄を確認すると、「市議会議員」と記載されています。
私は、「ほ~っ!面白い仕事に就いたもんだな。どんな経緯で議員になったのか聞いてみよう」
との好奇心にかられて、「一献酌み交わそう」とメールを送りました。
彼は、私からの申し入れを快く受け入れてくれて、再会することになりました。
緊張した面持ちで彼が現れ握手をかわし席に座るとすぐに、積もる話に花が咲きました。
すると、とんでもない話が彼から飛び出してきました。
それは、“専業主夫”を務めだした当初の出来事。
感動を通り越した、「お前はスゴ~~~イ!」と叫びたくなるエピソードでした。
彼から聞いたままの流れで出来事をご紹介します。
“主夫”になってからの引っ越しが、この物語のスタートです。
「隣に越してきましたので、今後ともよろしくお願いします」と彼が挨拶すると、
見覚えのある顔のご主人が現れました。
何ということでしょう、このご主人は、彼の高校時代の同級生。
お互いにびっくりしながら、
「こんな偶然があるんだね」なんて言葉を交わした後、同じ年頃の子どもがいることもわかったので、
気軽な気持ちで彼は同級生に、
「俺は“専業主夫”だから、子どもが具合わるくなったりしたらいつでも声をかけてね」と伝えました。
数日経過すると、この友だちから電話が入りました。
「どうしたの。子どもの具合でも悪くなったの?」と尋ねると、
「実は、うちの子は心臓の難病指定を受けているんだ」と告白されました。
彼は、わけがわからないまま、質問を重ねました。
「どうしたら治るの?」
「日本では治療できなんだけど・・・」
「日本ではということは、他の国だったら何とかなるの?」
「うん、アメリカに渡れば手術ができて、回復できる可能性があるんだけど・・・」
「だったらアメリカに行くしかないよね!」
「そうなんだけど、かなりの費用がかかるんだよね」
「いくらあれば手術できるの?」
「○○円!」
「エッ!」
彼がビックリして聞き返した手術費用は、
1億円。
この金額を聞いた彼は、間髪入れずに、
「俺が何とかするから!」
と応えていました。
応えてからどうしたらいいのか考えたそうです。
浮かぶ方法はただ一つ。
募金。
結果、1ヶ月ちょっとの期間の募金活動で、
1億7,000万円
の寄付金が集まりました。
多くのご支援者のおかげで同級生のお子さんは念願が叶い手術をしに渡米・・・
この大ごとを成し遂げた男は、
今年の4月から白井市の議会議員になった、廣澤 修司君。
彼がどうやって募金活動を展開したのか?
彼は、その後どんな人生を歩み議会議員になったのか?
の詳細ついては、来週発刊される“仕事が楽しい人”にてご案内しますので、
お楽しみに!