#159
勉強していますか?
いきなりの質問ですが、
「みなさん、勉強はしていますか?」
勉強とは、
みなさんが携わっている仕事の質を向上させるための学習を指します。
仕事の質を年々向上させることに異議を唱える人はいないでしょう。
そして、仕事の質を向上させるためには、
学習や訓練が必要であることも周知の事実です。
ですので、「みなさん、勉強はしていますか?」との問いかけに、
全員が、「もちろん、勉強しています!」と、
元気よく応えてくれるのが理想であるのは、言うまでもありません。
ところが、現実は理想通りにはいかないものです。
我々のコンサルティング先の社員に勉強をしない理由を尋ねると
「何を勉強したらいいかわからない」
「勉強する時間が取れない」
「そもそも、勉強が苦手」
という答えが返ってきます。
こんな彼らに、何をしてあげたらいいのでしょうか。
ドラマに出てくる、紋切り型の教育ママのように
「つべこべ言わずに、勉強しなさい!」と叱っても、対策にはなりません。
我々のお薦めは、ありきたりになりますが、
社員に学習してもらいたいテーマに合致した市販本を与えることです。
市販本は、ノウハウの宝庫です。
営業職や製造職といった職種別のノウハウや、
人材管理や財務管理といった管理の仕方に関するノウハウは、
市販本から学べます。
しかも、1,000円から2,000円という格安で。
(中古であれば、もっと安い!)
とはいうものの、
「本が勉強に適しているのはわかっているんだけど、読むのが苦手なんです」
という方が多いのも承知しています。
そこで、編み出したのが、学習の対象に選んだ本に関連した問題の作成です。
当社では、この試みを昨年から続けています。
教材にした本は、新しい経営学。
著者は、三谷 宏治さん。出版社は、ディスカヴァー・トゥエンティワンです。
この本は、経営学の基本を41節に分けて解説し、
1節が4から6頁にまとめられているので、
本を読むのが苦手な人も手にしやすい構成になっています。
1週間に1節ずつ読み進める計画を与え、
そして、週初めに前週読む予定になっている節に関連した問題を送ります。
記述形式の問題を各節5問設定し、解答してもらいます。
問題は、Googleフォームを活用しています。
以下が、Googleフォームを活用した問題と解説の事例です。
この試みから明確になったのは、
問題に答えることが、すなわち学習になること。
課題本を与えて感想文を書かせても、
それほど学習効果は上がりませんでしたが、
本に関連した問題に向き合わせることで、
本に記載されている内容の理解が深まりました。
ここで次なる問題が表れます。
それは、本に関連した問題の作成です。
本の内容を理解できる人であれば、問題の作成はさほど難しくありませんが、
問題の作成に相応の時間が必要になります。
人材育成には時間や費用の投資は必須となるので、ここは避けて通れません。
社員の向上心を支援するために、どなたかがひと肌脱いでください。
次回のコラムでは、問題の作成の仕方について解説しますのでお楽しみに。
※こちらも勉強に役立っています。
マニュアル作成ツール『Teachmebiz』のサイトはこちら。
>>>https://teachme.h-mbo.com/