#161
オリンピック・パラリンピックが目指すことは
みなさんは、オリンピック憲章に目を通したことがあるでしょうか。
私は、ある報道をきっかけにして、オリンピック憲章の全文を読んでみました。
オリンピック憲章には、
・フェアプレー精神
・平和推進
・政治的中立の維持
・差別反対
・男女平等原則の実践から女性の地位向上の促進
・ドーピングに代表される試合の不正操作および不正行為への対抗
・選手への医療と健康に関する対策の支援
・スポーツと選手の政治的または商業的な不適切利用の反対
・あらゆる形態のハラスメントおよび虐待からのアスリート保護
が記載されていて、
これらについては、ほぼ想定通りの内容でした。
私が、オリンピック憲章に注目するきっかけとなった出来事とは、
「国別メダル獲得数一覧」の作成が、オリンピック憲章の57の
「IOC と OCOG は国ごとの世界ランキングを作成してはならない」
との定めに違反するという記事。
何を隠そう私は、国別順位の表示サイトに事あるごとにアクセスして、
日本が歴史上、最大のメダルを獲得したことを大喜びしていました。
メダルを獲得した自国の選手を称えるのはごく自然の心理なので、
オリンピック憲章の57は、このことを禁止しているわけではないと思います。
オリンピック憲章の57は、ナショナリズムにより、
国家間の競争を扇動してはならないことを意味しているものと理解します。
これまでのオリンピックの歴史の中で、
オリンピックがナショナリズムの高揚に利用された事実があるので、
盛り込まれた条文なのでしょう。
私が、今回の体験で問題視したかったのは、
オリンピック憲章の57に関連した記事を目にして初めて、
「国別メダル獲得数一覧」の作成は、
オリンピック精神に反する行為だと自覚したことです。
私は、オリンピックが差別や政治的な対立をなくしていく平和の祭典であるとの
認識をしていたのですから、「国別メダル獲得数一覧」についても、
同じ意味合いで捉えるべきだったのです。
このように少し立ち止まって考えればわかることが、わからない自分。
「日本人は、平和ボケしている」と揶揄されて久しいですが、
私はすでに、ゆでガエルになっているのかもしれません。
SNSが、我々民衆にとっての、重要な情報源になった今、
デマ情報に踊らされるなという警告が始終流れるようになりました。
炎上という言葉も一般化し、
SNS上の一言や、一枚の写真、動画で、民衆の怒りに火がつく。
こんな時代だからこそ、各種の規定や法律が設けられた根拠や目的を
冷静に読み解いて判断する力が、我々民衆には必要となっています。
コロナパンデミックの中で開催されたオリンピック・パラリンピックは、
このようなことを我々に示唆している。そんな思いを強く持ちました。
※下記サイトもご覧ください。
日本初のレジリエンス研修専門サイト
>>>レジリエンス研修
※弊社オウンドメディアの『マネジメントDX』はこちら。
>>>https://management-dx.jp/
※動画マニュアル『Teachmebiz』の専用サイトはこちら。
>>>https://teachme.h-mbo.com/