株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

代表取締役パートナー平堀剛のブログ

Hot Willerへのエール

Hot Willerとは「独自の志を持ち、その実現に向けた活動を
実直に続けている人」を表す当社の造語です。そういう方々に向けた
応援メッセージを贈りたいという想いで毎月書いています。

#164

成長の芽を摘むフォロー

2021年11月30日

当社では、「働き方の哲学」という本をテキストにして、
毎週、その内容をテーマにグループディスカッションしています。

本の構成は、

PART1 仕事・キャリアについて
PART2 主体性・成長について
PART3 知識・能力について
PART4 働く意味について
PART5 会社の中で働くことについて
PART6 心の健康について

となっていて、
各PARTは、おおよそ15個の章に分類され、1章は2ページから4ページにまとまり、
右のページは図解なので、とても読みやすくなっています。

仕事に取り組む基本的な考え方を植え付けることを目的にして、
新人だけではなく中堅社員の学習テキストとして、強く推薦できます。

 

先日、この本に記載されている、「怠惰な多忙」をテーマに、
当社の社員が、自分の仕事に置き換えて意見交換しました。

「怠惰」という言葉は、「なまける」が想起されるので、少々刺激的な表現なのですが、
本では、「怠惰な多忙」を次のように解説しています。

私たちの仕事生活は忙しさに追い立てられ、それが止むことはありません。
雑多な業務をこなしていくと、そこそこの知識やスキルが身につき、
それで何か仕事をやった気になります。

しかし、1年、3年、5年が経ったとき、
根本的に意義のある仕事をつくりだし、残しているかどうか…。

既存の状態を維持させるためにルーチン業務に追い立てられると、
私たちはついつい長期的・根本的な計を立てる業務を後回しにして
しまいがちです。

(働き方の哲学:94ページより抜粋)

「怠惰な多忙」とは、
忙しさに流されるのではなく、今の仕事の仕方に疑問を持ち、
根本的に意義のある仕事になるような改善工夫をしていこう
と読者に訴える、とてもいいテーマであるとご理解いただけたと思います。

前置きが長くなりましたが、この解説を理解した上で、
当社の社員が「怠惰な多忙」について話し合った、
以下のエピソードを確認してください。

 

ディスカッションの最初に、

『映像制作をしているときに、編集ソフトの操作がうまくできず、
どうしようかと考えたり調べたりしていることに、必要以上に時間を費やし、
仕事をとめてしまうことがある。このようなことは、結構生じているので、
怠惰な多忙に当たると思います』

と、あるメンバーが、発言しました。

ここで注釈しますが、私は、グループディスカッションには参加していません。
それは、私のような組織のトップに立つ人間が参加してしまうと、
参加者が正解探しのような発言になってしまいがちだからです。
ですので、このやり取りを私は、録画を視聴して確認しています。

話をもどしましょう。
このメンバーの、自身の「怠惰な多忙」の事例を聞いて私は、

「とてもいい自己分析だな。
何かがうまく進められなかったり、わからないときに、
私自身も、パソコンのフォルダに保存した資料や本を探したり、
ネット検索に必要以上に時間をかけてしまうことがある。
彼の話から、探す時間はなるべく少なくし、実作業に費やす時間を
増やすように心掛けないと」

との気づきを得られ、参考になりました。

こんな好感を抱きながら、ディスカッション録画を進めていくと、
別のメンバーから次のような意見が出されました。

『うまくいく方法を探すのも、自己成長につながるケースもあるのだから、
怠惰な多忙ととらえなくていいのではないか」

この意見を発したメンバーに悪気はありません。
「怠惰な多忙」の事例をあげた同僚に、
「君はいつも頑張っているんだから、怠惰なことなんてないよ」と、
励ましてあげたい。そんな思いを込めてフォローしたのでしょう。

みなさんも、ある人が、自分の仕事の仕方に問題があると発言した際に、
同様のフォローをしてしまった経験はあるのではないでしょうか。

 

今回のコラムの主題はここにあります。

それは、このような労いのフォローは要注意ということ。
なぜでしょうか。

答えは、成長の芽を摘んでしまうからです。

自分の仕事の仕方に疑問を持ち、改善しようとしているのですから、
この向上心に思いを寄せて、
どうしたら、より良い仕事になるのかを一緒に考えてあげる。

こんなフォローから、成長の芽は育つことも念頭にいれておいてください。

 

※下記サイトもご覧ください。

日本初のレジリエンス研修専門サイト
>>>レジリエンス研修

※弊社オウンドメディアの『マネジメントDX』はこちら。
>>>https://management-dx.jp/

※動画マニュアル『Teachmebiz』の専用サイトはこちら。
>>>https://teachme.h-mbo.com/

代表取締役パートナー

平堀 剛

Hirabori Tsuyoshi

平堀 剛

1961年生まれ。東京都出身。

経歴

大学卒業後、電機メーカーに就職。先端技術の開発に汗を流すエンジニアを目の当たりにし、自分も何かをしたいと一念発起。学生時代からの夢、事業家(経営のプロ)を志しコンサルティング会社に転職。数多くの業界の経営実務に携わり上場(マザーズ)も経験した後に、小川とともに当社を起業。

コンサルティング・ポリシー

『本当の楽しみは、苦しみを乗り越えた者のみが味わえる』

支援実績(得意分野)

  • ◆目標達成に執着する管理者の養成
  • ◆顧客を愛顧客にする営業パーソンの育成
  • ◆中途・新卒社員の早期戦力化支援
  • ◆社員定着率の圧倒的な改善

当社での役割

  • ◆当社社員の家族への感謝の手紙発送
  • ◆社内懇親会のお店探しと予約
  • ◆参加が楽しくなる会議の企画進行
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