株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング

代表取締役パートナー平堀剛のブログ

Hot Willerへのエール

Hot Willerとは「独自の志を持ち、その実現に向けた活動を
実直に続けている人」を表す当社の造語です。そういう方々に向けた
応援メッセージを贈りたいという想いで毎月書いています。

#173

そのロープレ、なんのためにするのですか?

2022年8月29日

ある居酒屋の店長ミーティングで、
サービスの質が低下しているとの課題が取り上げられました。

サービス力は、お客様の満足度と直結するので、
早々に改善せねばとの流れになり、
ロープレを定期的に実施するという結論に至りました。

ロープレは実践力を養う上で有効なトレーニング手法なのですが、
私は、ここで待ったをかけ、
各店舗で発生している、行き届いていないサービスの実例を挙げるように提案しました。

各店長から出された実例は、以下の通りでした。

①おしぼりを出し忘れる
②おすすめした料理を注文していただいたお客様に、料理の感想を聞いていない
③料理を別のテーブルに出すミスをしたが、その謝罪が形式的だった
④「いらっしゃまいませ」のお声かけが作業をしながらで、心がこもっていない
⑤オープンキッチンの中で、料理人たちが食材の良し悪しを話している
⑥食べ終わったお皿をさげない
⑦取り皿や取り分け用のお箸を、お客様からくださいと催促される
⑧「すいませーん!」と何回も言われる
⑨お客様の問いかけに曖昧に答えて、そのままにしてしまう
⑩グラスを持つ位置が高い(口元に近い位置を持つと、お客様に不快感を与える)
⑪料理を置く場所が的確ではない
⑫お客様が箸を落としても、それに気づけない

私は、ホワイトボードに列挙されたこれらの実例を見ながら、
各店長に、
「この中で、ロープレによって改善できそうな実例はどれでしょうか?」
と、尋ねました。

勘のいい店長たちは、
「サービス力向上のトレーニングをロープレだと決めつけていたのは、浅はかでした。
我々店長たちが問題視しているサービスを具体的に整理した上で対策を講じないと、
“ロープレのためのロープレ”になってしまいますよね」
と、答えてくれました。

このように、対策ありきで結論を出しているケースは、
どの企業でも散見されるのではないでしょうか。

問題の解決策を定めるには、
・発生している問題の実例を列挙する
・問題の改善に有効な対策を練る
という手順を踏むのが基本です。

今回は、サービス力の低下が課題だったので、
この基本に則り、それらの実例を上記のように列挙してもらったわけです。

その後、ロープレによって解消されそうな
行き届いていないサービスを選んでもらったところ、

②おすすめした料理を注文していただいたお客様に、料理の感想を聞いていない
③料理を別のテーブルに出すミスをしたが、その謝罪が形式的だった
⑨お客様の問いかけに曖昧に答えて、そのままにしてしまう
⑪料理を置く場所が的確ではない

が、特定されました。

その他の問題への対処は、サービスの基本を教えた上で、
できていないシーンを目にした際に、その都度、実地指導することになりました。

この居酒屋がこれらの対策を講じて、①~⑫の問題が改善されたら、
顧客の満足度が飛躍的に高まるのは、間違いないでしょう。

この居酒屋の店長たちが口にした、
“ロープレのためのロープレ”とは、
すなわち、目的を定めずに手段を講じてはならないとの気づきでした。

「その対策は、何のために設定したんだっけ?」と、
そもそもの目的を確認してみると、
日常に埋没している落とし穴が見つかるかもしれません。

 

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代表取締役パートナー

平堀 剛

Hirabori Tsuyoshi

平堀 剛

1961年生まれ。東京都出身。

経歴

大学卒業後、電機メーカーに就職。先端技術の開発に汗を流すエンジニアを目の当たりにし、自分も何かをしたいと一念発起。学生時代からの夢、事業家(経営のプロ)を志しコンサルティング会社に転職。数多くの業界の経営実務に携わり上場(マザーズ)も経験した後に、小川とともに当社を起業。

コンサルティング・ポリシー

『本当の楽しみは、苦しみを乗り越えた者のみが味わえる』

支援実績(得意分野)

  • ◆目標達成に執着する管理者の養成
  • ◆顧客を愛顧客にする営業パーソンの育成
  • ◆中途・新卒社員の早期戦力化支援
  • ◆社員定着率の圧倒的な改善

当社での役割

  • ◆当社社員の家族への感謝の手紙発送
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