#175
有難い資本主義
10月10日にNHKで放映された、
「エマージェンシーコール 〜緊急通報指令室〜」
NHKのホームページには、このドキュメンタリーについて、
次のように紹介されていました。
人口約1400万人の巨大都市・東京。
密着するのは、年間の119番通報数が全国最多の東京消防庁の指令室。
思わぬ事故や大切な家族の病気など、助けを求めるさまざまな声が
24時間365日、ひっきりなしに届く。
通報者と緊急通報指令室のオペレーターの会話だけで
日本の今を描くノンフィクション番組の第2弾。
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119番に電話をしてくる人の緊張感や不安感、動揺と悲壮感が
痛いほど伝わってくるドキュメンタリーでした。
私たちは、平穏無事に暮らしている時には、
この救急隊の存在をまったく意識していませんが、
不慮の事態に遭遇した際には、119番に電話すれば
何らかの対応はしてもらえるとの認識を持てていることが、
心のよりどころにもなっています。
このように、普段はほとんど意識することはないけど、
我々の生活の支えとなっている仕事は、他にどんなモノがあるでしょうか。
例えば、コンビニで買うおにぎり。
100円ちょっとのお手頃の値段で買える、おなじみのおにぎり。
このおにぎりが、朝8時に買えるのはなぜなのか。
この素朴な疑問に、小学生に戻った気持ちで向き合ってみましょう。
朝8時におにぎりが買えるのは、
・コンビニのおにぎりコーナーに品出ししてくれる社員
・コンビニにおにぎりを配送してくれる、トラックのドライバー
・おにぎりの製造メーカーで働いている人
このような人たちがいるから。
この他にも、まだまだ多くの人たちが関わっているのですが、
ここで、質問を次のように変え、さらに、思考を深めてみましょう。
・コンビニのおにぎりコーナーに品出ししてくれる社員
・コンビニにおにぎりを配送してくれる、トラックのドライバー
・おにぎりの製造メーカーで働いている人
は、何時から働いているのか。
朝8時におにぎりを買えるということは、
この人たちの勤務時間は、8時より前になるのは言うまでもありません。
この職業に従事される人たちの勤務時間は、早朝、深夜となります。
朝8時におにぎりが買えるのは、とても便利なのですが、
この便利を支えるために、我々が寝てる時間に働いている人たちがいる。
この事実を、我々は、忘れがちです。
そして、8時に買えるのが当たり前になり、
おにぎりが欠品していると「この店、ダメだな」と、
文句を言ってしまったりします。
水道の蛇口をひねると水が出るのは当たり前。
ガスも電気も、常に使えるのが当たり前。
ゴミの回収も下水の処理も当たり前。
牛丼も、早い・うまい・安いが当たり前。
自宅で食事ができるのも、着替えがタンスに整っているのも当たり前。
これらのことって、本当に、当たり前なの?
当たり前を支えてくれている人たちのこと、意識から消えていませんか?
冒頭に紹介した「エマージェンシーコール 〜緊急通報指令室〜」を視聴して私は、
このようなメッセージが込められていると感じられました。
水道の蛇口をひねると水が出るのは、有難い。
ガスも電気も、常に使えるのは、有難い。
ゴミの回収も下水の処理も、有難い。
牛丼も、早い・うまい・安いのは、有難い。
自宅で食事ができるのも、着替えがタンスに整っているのも、有難い。
この有難いの気持ちを、何で表すのか。
「ありがとう」の言葉で表すというのがオーソドックスな答えですが、
支払額で示すのも一つの手段でしょう。
少々、無理くりの理屈に捉えられるかもしれませんが、
必要以上の値下げ要求はせず、有難い気持ちを金銭の支払いで示すのも、
尊い行為なのではないでしょうか。
こんな有難い思いの連鎖からデフレに歯止めがかかり、
日本の経済が成長循環に入ればいいのになと、心で願っています。
新しい資本主義ではなく、有難い資本主義となりますようにと!
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