#176
流れに乗るか、無視するか
新しいシステムの導入に対して、人は、何らかの抵抗を感じるものです。
携帯電話の便利さに慣れ親しんでいたほんの少し前の我々は、
顧客や知人との連絡手段としてメールが主流になるとの
予測はできていたでしょうか。
ちょっと話をすればいいようなことを、
わざわざメールでやり取りするようになるとは、
少なくとも私は想像できませんでした。
ところが、
今私は電話でコミュニケーションする機会がほとんどなくなりました。
それは、電話に出てもらえないだけではなく、
折り返しの電話が入っても出られないということが、たびたび生じるためです。
メールを活用すれば、
このような行き違いが発生しないのは、ご存じのとおりです。
また、メールは時間を気にせずに発信できますし、
受信メールも隙間時間に確認できます。
こうなると、メールなしの環境に戻るのは勘弁してほしいとの感覚になります。
メールに慣れる前は、
いちいち文章を打つよりも電話で話した方が楽だと思っていたのに、
今では、様変わりしてしまいました。
このような事例は、他にもいくつも存在します。
例えば、飲食店にモバイルオーダーシステムを導入した際の出来事。
(モバイルオーダーシステムとは、
顧客が自身のスマートフォンを使ってメニューを読み取り、
自分で発注するシステム)
システムを導入してから1ヶ月が経過した時に状況を確認すると、
料理の注文はモバイルオーダーに移行したが、
ドリンクの注文は、従来通りのハンディ端末を使ったやり方にしていることが発覚。
理由を確認すると、
ドリンクの注文が集中するとドリンクを作る担当者がパンクしてしまう。
特に、外国人の社員は、
モバイルオーダーシステムから表記される、
漢字やカタカナのドリンク名を読めないので、
対処に困っているとのことでした。
ちなみに、モバイルオーダーを導入する目的が、
人員不足に対応するためであり、他店での実験導入でも、この効果が証明されています。
この飲食店では、2年前に予約管理システムを導入しています。
この時も、店長たちは、手書きでの予約台帳の活用に固執しました。
お客様の特徴を記憶に残すには、手書きが有効だとの理由だったと思います。
これは、今となっては笑い話。
予約管理システムの導入によって、
各種予約サイトと連動した予約獲得、来店履歴や先々の予約状況の把握など、
手書きの予約台帳では煩わしくてできなかった作業が、
手間を省いて実施できるという利点が数多くあるためです。
さて、話をモバイルオーダーシステムに戻しましょう。
こちらも結果は予約管理システムと同様に、
導入時に生じたいくつかの課題がクリアされ、
今では、なくてはならないシステムとして活用されています。
業務全般のシステム化の流れは、ますます加速しています。
この流れに乗っかって、仕事の生産性を高めていくのか。
この流れを無視して、従来の仕事のやり方に固執するのか。
みなさんは、どちらを選択していくでしょうか。
答えは言うまでもありません。
新しいシステムの導入により、これまでとは違った風景で仕事をするのを楽しむ。
このような心持でシステムと向き合えば、
無意識に宿る抵抗感を抑えられるのはないでしょうか。
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