#183
誰もが代われる作業環境の整備は待ったなし
注文書に
『赤ピーマン5』
と記載されていたら、みなさんは正確に受注入力できるでしょうか。
「5という数字を入力するだけだから、大丈夫。」
ことは、そう単純ではありません。
それは、
単位が記されていないからです。
赤ピーマンは、
5個なのか
5パックなのか
5ケースなのか
単位が記されていないと、正確には受注入力できません。
でも、
『赤ピーマン5』
と注文書に書かれていても、顧客の要望通りの数量を正確に入力している実態があります。
それは、ベテランといわれている社員が、無記載の単位をくみ取って仕事をしていることです。
受注入力作業に長年従事してきたことで、顧客の個別の特徴を把握して対応しているのです。
ところで、
『赤ピーマン5』
を、これまでの経験から、
『赤ピーマン5個』
と、単位を推察するのは、真の意味で顧客のためになっているのでしょうか。
この問いは、生産性を高めていく上で鍵となる投げかけです。
『エビ5パック』
との注文を
『有頭エビ』なのか、『無頭エビ』なのか、
受注担当者が顧客によって判断して入力したり、
読みづらい字で書かれたFAX注文書を解読するのを
これまでは、熟達者の仕事として崇められてきましたが、
この捉え方は、間違っています。
赤ピーマンの数量の単位やエビの形状の記載や誰もが読み取れる文字で発注するのは、
顧客の責任だからです。
顧客が、
・赤ピーマン5パック
と単位を明記して注文したのに、受注した企業が
・赤ピーマン5個
納品したら、これは受け手の企業のミスであるのは言うまでもありません。
顧客のためというスローガンを拠り所にして、
このような仕事の仕方を相変わらず続けている企業は、意外と多いのではないでしょうか。
このような悪弊にメスが入らないのは、受注入力者が固定しているからです。
『赤ピーマン5』
との記入でも、
単位を推定できるは、長年同じ受注入力をしているからであって、
もし、担当が変わったら、
『赤ピーマン5』
の単位はわかりません。
各種の業務を複数の担当者にシェアしておかないと、
ベテラン担当者が抜けた途端に、業務は大混乱になります。
今回事例として取り上げた受注入力の作業は、
発注する顧客を起点としてシステム入力にすれば、
・数量の単位
・発注商品の形状
・文字の読み取り
という問題は、すべてクリアされます。
ベテラン社員をこのような類の業務の熟達者として崇めるのではなく、
誰でもが代われるような作業環境を整えることが、
中小企業の生産性を高める喫緊の課題となっています。
慢性的な人手不足の環境下で、
事例とした業務の変革を先延ばしにする余裕はありません。
“誰もが代われる作業環境の整備”
をかけ声倒れにしないことが、企業の将来を決定づける待ったなしの状態。
人手不足はこれほどまでに深刻になっているとの危機感が増す、今日この頃です。
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